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補助金ニュース / くまもと事業者再出発支援補助金

まもと事業者再出発支援補助金は10月1日から。復旧費の4分の3を補助

公開: 2026年9月16日 ・ 更新: 2026年9月20日

熊本県の「くまもと事業者再出発支援補助金」は、令和8年熊本地震で被災した店舗や工場などの施設・設備の復旧費を補助する制度です。中小企業・小規模事業者は復旧費の4分の3、上限3億円。中堅企業は2分の1、上限3億円。申請の受付は10月1日木曜に始まり、県庁前の受付センターへの郵送か持参で提出します。9月18日に県が公開した説明会資料で、対象経費の線引き、7月28日以降に自分で直した分を遡って対象にする特例、必要書類、事業者向け説明会の日程が確定しました。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領や官公庁の発表を毎日読んでいます。この記事は9月16日に県の発表だけを頼りに書いた初稿を、9月18日作成の説明会資料3本(制度概要22ページ、車両の取扱い、定額補助の申請マニュアル)で書き直したものです。初稿で「公募要領が出るまで分からない」と書いた点をすべて埋めました。資料には「今後、変わることもあります」と明記されているので、10月1日以降に県のページで最終版を確認してください。

補助率は中小・小規模で4分の3、上限3億円

対象は熊本県内に事業所がある事業者で、区分は4つです。

  • 中小企業者等(小規模事業者・個人事業主を含む)は補助率4分の3、上限3億円
  • 中堅企業(資本金10億円未満)とみなし中堅企業は補助率2分の1、上限3億円
  • 上の2つのうち多重被災事業者は、5億円までは定額補助(10分の10)で上限15億円
  • 上の2つのうち特定被災事業者は、補助率は元の区分のまま、上限だけ15億円

初稿では県の発表資料どおりに「特定被災事業者(多重被災事業者)は上限15億円、5億円まで定額」と書きましたが、9月18日の資料で2つは別の区分に分かれました。定額補助が付くのは多重被災事業者だけで、特定被災事業者には定額補助がありません。訂正します。

補助額の計算は、補助対象経費(税抜)に補助率を掛けて千円未満を切り捨てです。壊れた施設や設備に保険金や共済金が出る場合は、その分を復旧費から引いた額が補助対象経費になります。たとえば復旧費が税抜400万円で保険金が100万円なら、対象経費は300万円、補助は225万円です。

上限3億円という数字に引かないでください。店舗の内装や厨房設備、工場の機械を直す数百万円の復旧でも、4分の3という補助率は同じです。通常の補助金は補助率2分の1や3分の2が多いので、災害向けとして相当に厚い水準です。

対象外の主なものも書いておきます。みなし大企業、農林水産業そのもの(ただし加工や販売に使う施設・設備は対象)、医療法人、NPO法人、社会福祉法人、学校法人、一般社団法人・財団法人、熊本県税に未納がある事業者です。

対象になる経費とならない経費

補助の対象は「事業用に使っていた施設・設備を、その所有者が復旧する」費用です。資料の区分は3つあります。

  • 施設。店舗・事務所・工場・倉庫などの建物の修繕費か建替費。原則として登記されている建物
  • 設備。機械装置などの修理費か入替費。原則として資産計上されているもの
  • 車両。被災前に所有し、事業だけに使っていた車両の修理費か入替費

3つに共通して、復旧に付随する処分費・撤去費・据付費・運搬費・地盤改良費も対象です。液状化の地盤改良や、建て替えのための解体、がれき撤去も、現地での復旧に不可欠なら対象になります。

復旧は修理が原則です。設備は修理不能と認められる場合、施設は「全壊」か「大規模半壊」と判定された場合に、入替や建替ができます。見積書を比べて修理より入替・建替のほうが安い場合も可です。初稿で「前より良い設備に入れ替えた場合の上乗せ分がどう扱われるか分からない」と書いた点は、資料で答えが出ました。規模を広げた建替や高性能な設備への入替は認められますが、補助対象経費の上限は原状回復に必要な費用(修理費、または同等の設備・建物にする費用)までです。上乗せ分は自己負担で、そのぶんの見積書も別に要ります。

対象にならないものは、実務で引っかかりやすいので列挙します。

  • 住宅部分。店舗兼住居は面積で按分して事業用部分だけが対象
  • テーブル・イス、食器・調理器具、書類棚・陳列棚など、汎用性のある什器
  • 商品、在庫、原材料、消耗品、ソフトウェア
  • 地震にともなう清掃・消毒費、申請代行の費用、自社で直す場合の人件費
  • 発災前から使っていなかった空き店舗など

飲食店で、机やイス、食器が壊れた分はこの補助金では出ません。そこは後述する持続化補助金の災害支援枠の守備範囲です。

登記していない建物や資産計上していない設備でも、固定資産課税台帳の証明書や名寄帳、購入時の契約書や業者の証明で「被災前に持っていて事業に使っていた」ことが示せれば、対象になる場合があります。該当する人は個別に県へ相談してください。テナントで借りている店舗や、リースの設備は、原則として大家やリース会社が申請者になります。自分の店が賃貸なら、まず大家に申請する意思があるかを確認する必要があります。

多重被災事業者の定義が出た。過去10年の3災害が基準

初稿の時点で未公表だった定義が、申請マニュアルで出ました。多重被災事業者は、次の5つをすべて満たす事業者です。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた
  • 令和8年熊本地震から過去10か年度以内の激甚指定災害(平成28年熊本地震、令和2年7月豪雨、令和7年8月豪雨の3つ)で事業用資産が被災し、国などの支援を使った
  • その災害の発生日以降に売上高が20%以上減っている、または熊本地震の時点で厳しい債務状況にあり、認定経営革新等支援機関に再建計画の確認を受けている
  • その災害からの復旧・復興のための債務を、いま抱えている
  • 令和8年熊本地震で施設・設備が被災した

平成28年の地震でも令和2年の豪雨でも被災した、という事業者が県内には少なくありません。要件を見ると、過去の災害の罹災証明書、当時使った補助金や融資の書類、災害前後3か月の売上が分かる試算表が必要になります。当時の書類を捨てていなければ、いま探しておいてください。

特定被災事業者は別の枠で、被災した小規模事業者のうち「サプライチェーンにとって不可欠」で被害規模が多重被災事業者に相当すると県知事が認め、九州経済産業局長が承認した場合です。定額補助はなく上限が15億円に上がるだけなので、資料も「補助額が3億円を超える事業者を想定」と書いています。補助対象経費が4億円を超える見込みの中小企業者は、個別に相談する扱いです。

10月1日から受付。郵送か持参で、申請は原則1回

申請の手順は資料でこう決まりました。

  • 10月1日木曜から第一次申請を受け付ける。以後は毎月、期間を区切って受け付ける予定
  • 提出先は「くまもと事業者再出発支援補助金受付センター」(熊本市中央区神水1丁目3-1 ヨネザワ熊本県庁前ビル4階)。郵送または持参。受付は平日9時から17時
  • 申請回数は原則1回。施設と設備で分けるなど分割する場合でも上限2回
  • 第一次申請の締切、受付センターの電話番号、申請様式は後日、県のページに掲載

補助の対象期間は原則、交付決定日以降の経費です。ただし特例があり、発災日の7月28日以降であれば、交付決定の前に復旧した経費も対象になります。条件は、写真や書類で被害の状況が確認できることです。すでに直してしまった人は、修理前後の写真と見積書・発注書・請求書がそろっているかで、使えるかどうかが決まります。

事業者向けの説明会は6回あり、事業所の所在地にかかわらず都合のよい会場に行けます。全日程が午前10時と午後2時の2部制で、内容は同じです。

  • 10月2日金曜。宇土市民会館 大会議室(宇土市)
  • 10月5日月曜。ホワイトパレス タラッシオA(八代市松江町)
  • 10月6日火曜。八代市鏡文化センター ホール(八代市鏡町)
  • 10月9日金曜。宇土市民会館 大会議室(宇土市)
  • 10月13日火曜。熊本県庁 行政棟本館地下1階 大会議室(熊本市)
  • 10月16日金曜。御船町カルチャーセンター ホール(御船町)

熊本会場の内容は後日アーカイブ動画が載る予定です。10月中旬からは個別相談会も順次開かれます。9月18日に開かれた支援者向け説明会には商工会議所・商工会が出席しているので、地元の商工団体に行けば、県に電話するより具体的な話が聞けます。県の問い合わせ先は商工振興金融課の企業復興支援班(096-333-2338)です。

申請までにそろえる書類。見積書は100万円以上なら2者

申請に要る書類の一覧が資料に載りました。共通で必要なのは次の11点です。

  • 交付申請書、補助事業計画書、誓約書、役員等名簿(様式は県のページに掲載)
  • 法人は履歴事項全部証明書と貸借対照表・損益計算書、個人は住民票と確定申告書
  • 熊本県税に未納がないことの証明書(納税証明書28号様式)
  • 被災(罹災)証明書
  • 被害状況が分かる写真
  • 復旧場所を示す地図
  • 保険金・共済金を受け取った場合はその書類

施設を直す場合は建物の登記事項証明書、見積書、図面、利用状況表が加わります。設備なら固定資産台帳か償却資産台帳、見積書、配置図、入替の場合はカタログと修理不能申告書です。車両なら車検証と、入替の場合は被災車両を永久抹消した証明が要ります。中古市場に下取りに出せる車は修理可能とみなされ、入替では認められません。

見積書は、1件の工事費が税込100万円以上なら2者以上から取る必要があります。すでに復旧を終えていて複数の見積が取れない場合は「見積書が不足している理由書」を出せば1者でも認められます。この理由書の様式は後日掲載です。

書類とは別に、実績報告の段階で確認される要件が2つあります。事業継続計画(BCP)を作ること、そして復旧した施設・設備に自然災害を補償する損害保険か共済をかけることです。保険は中小企業者等で付保割合30%以上、中堅企業で40%以上。従業員20人以下(商業・サービス業は5人以下)の小規模事業者は加入推奨にとどまります。BCPは県版のシートで足りるので、いまから身構える必要はありませんが、申請前に県のページでシートを見ておくと実績報告で慌てません。

もうひとつ、交付決定を受けた事業者の名称と所在地は県のページで公表されます。支払いは事業完了後の精算払が原則で、建屋や機械の単位で復旧と支払いが終わっていれば、交付決定後に1回だけ概算払を請求できます。復旧費を立て替える期間が長くなるので、次に書く融資と保証をつなぎに使うことになります。

持続化補助金の災害支援枠との使い分け

小規模事業者は、持続化補助金の災害支援枠との使い分けを考えておく必要があります。災害支援枠は上限が直接被害で200万円、補助率3分の2で、1次公募の締切は10月16日です。同じ施設や設備の復旧を2つの補助金で二重に受けることはできません。

対象経費の線引きが出たので、分け方ははっきりしました。建物の修繕、厨房機器や機械の修理・入替、事業用車両は、補助率4分の3で上限の大きい再出発支援補助金。テーブル・イス・食器・陳列棚といった什器の買い替えや、販路の立て直しは、再出発支援補助金では対象外なので災害支援枠です。復旧費が数百万円規模で施設・設備の修理が中心なら前者、什器と小さな修繕が中心なら後者、両方あるなら経費を分けて両方に出す、というのが目安です。災害支援枠の中身は持続化補助金の災害支援枠の記事に整理しています。

セーフティネット保証4号は県内全市町村に広がった

9月14日の会見で、金融支援の拡大も発表されています。セーフティネット保証4号の指定地域が、9月18日から県内全市町村に広がりました。それまでは災害救助法が適用された21市町村だけが対象でした。

セーフティネット保証4号は、信用保証協会が融資額の全額を保証する制度で、通常の信用保証(保証限度額最大2.8億円)とは別枠でさらに最大2.8億円の保証を受けられます。利用には市町村の認定が必要です。補助金は精算払が原則なので、交付決定から入金までの間の運転資金や復旧費の立て替えは、この保証を使った融資でつなぐことになります。

県が8月24日から受け付けている新資金も動いています。金融円滑化特別資金の熊本地震枠は1企業8,000万円まで、融資期間10年以内で据置期間2年以内、保証料率は県の補助で0%です。従業員20人以下なら小規模事業者おうえん資金の熊本地震分もあり、こちらは2,000万円までで保証料率は同じく0%です。詳細は県の案内ページにまとまっています。

予算は356億円。なりわいの再建に117億円

この補助金を含む県の9月専決予算は356億58百万円です。専決処分とは、議会を待たずに知事の判断で予算を決める手続きで、それだけ急いでいるという意味です。内訳を見ると、産業復興支援に219億21百万円、そのうち中小企業や高齢者施設などの復旧費を支援する「なりわいの再建支援」に117億73百万円が付いています。被災した商店街の共同施設の復旧支援に1億14百万円、熊本ふっこう応援割による宿泊・旅行料金の割引に68億66百万円も入っています。

地震から1か月で国のパッケージ、7週間で県の補助金の名前と日付、8週間で対象経費と書類の一覧。10月1日に出せる状態にするなら、いまは罹災証明書と写真、見積書をそろえ、テナントなら大家と話をしておく時期です。

関連記事: 熊本地震の支援パッケージ決定。事業者が使える支援を整理した

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本記事は2026年9月20日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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