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スマートレジ補助金に 事前着手制度。 9月15日以降の 導入を 後から 申請
公開: 2026年9月18日

中小企業庁は2026年9月15日、デジタル化・AI導入補助金に「事前着手制度」を設けると発表しました。9月15日以降に導入したスマートレジや、POSレジの改修費を、あとから補助金として申請できる特例です。申請の受付は2027年1月頃から、対象になる期間は2027年3月まで(いずれも調整中)。補助金の大原則である「交付決定の前に買ったものは対象外」を、この制度に限って外した形です。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。9月9日に出したスマートレジ補助金の記事では「契約は11月の交付決定を待ってください」と書きました。その6日後に前提が変わったので、何が変わって何が変わっていないのかを、中小企業庁のチラシと事務局の告知を読んで整理します。先に正直に書いておくと、公募要領はまだ出ていません。チラシにも「変更となる可能性があります」と明記されているので、この記事は暫定版として読んでください。
事前着手制度で 何が 変わったのか
補助金は普通、申請して交付決定をもらってから契約と発注をします。デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠も同じで、8月28日更新の公募要領には「交付決定前に契約、発注、納品、支払いを行った場合は補助金を受けられない」と書いてあります。減税が近いからと先にレジを買った時点で、補助金は使えなくなる。これが9月14日までの世界でした。
事前着手制度はこの順番を逆にします。中小企業庁の発表文をそのまま引くと、「9月15日以降、事前に補助対象となるスマートレジの導入やPOSレジの改修等を行っていただき、事後に補助金を申請することができる」制度です。先に買って、あとから申請する。雑に言えば、領収書を取っておけば後日まとめて精算できる仕組みに近い形です。
なぜこんな特例を出したのか。9月15日に「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」が閣議決定され、2027年4月1日から2年間、飲食料品の消費税率を1%にする改正案の中身が固まりました。国税庁のリーフレットにもある通り、これは法案が国会で成立した場合の話で、まだ法律は変わっていません。ただ、減税まで半年あまりしかないのに、9月29日締切の通常申請で通っても交付決定は11月9日の予定です。そこから発注していては現場の慣らしが間に合わない店が出る。チラシには「経営の現場においてスマートレジの導入等が間に合うよう」と、理由がそのまま書かれています。
対象期間は 9月15日から 2027年3月。 申請の 受付は 2027年1月頃
チラシに載っているスケジュールは2行だけです。対象期間が2026年9月15日から2027年3月(調整中)、申請受付期間が2027年1月から2027年3月(調整中)。事務局の9月16日の告知も「申請受付は2027年1月頃を予定しております」としています。
ここで押さえてほしいのは、お金の流れです。今レジを入れても、申請できるのは来年1月以降で、補助金が振り込まれるのは審査と実績確認を経たあとです。少なくとも来年の春までは、導入費を全額自分で立て替えることになります。数十万円の立て替えが厳しい店は、この時点で通常申請のほうが向いています。
もうひとつ。事前着手制度は9月29日締切の通常申請とは別の受付です。9月29日に間に合わせるために書類を急ぐ話と、先に買って来年申請する話は、混ぜないほうが整理しやすいです。
補助率と 上限は チラシの 数字。 ハードの 上限が 現行と 違う
チラシには「スマートレジ類型」と「POSレジ類型」の2つが載っています。スマートレジ類型は従来型のレジからスマートレジに切り替える場合、POSレジ類型は今あるPOSレジなどを改修して新しい税率に対応させる場合です。補助率と上限はどちらも同じで、次の通りです。
- ソフトウェアと役務は、補助額50万円以下の部分が4分の3、小規模事業者は5分の4。50万円を超えて350万円までの部分は3分の2
- 上限は、会計・受発注・決済のうち1機能なら50万円、2機能以上なら350万円
- ハードウェアは2分の1で、スマートレジ類型はPCとタブレットの購入費が20万円まで、POSレジ類型はレジの購入費が20万円まで
役務に含まれるのは導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートで、チラシは導入後のサービスや定着支援も最大2年間対象と書いています。中堅企業も一部対象です。
補助率は現行のインボイス枠と同じ水準ですが、ひとつ食い違いがあります。現行の公募要領ではPCやタブレットの上限は10万円で、レジと券売機が20万円です。チラシはスマートレジ類型のPC・タブレット購入費を20万円としています。事前着手制度用に上限を変えたのか、チラシの簡略化なのかは、公募要領が出るまで分かりません。タブレットを高めの機種にするつもりなら、要領の公開を待って判断してください。
仮の数字で計算しておきます。従業員3人の飲食店が、会計と決済の2機能を持つクラウド型レジソフトを導入設定込みで40万円、レジ端末にするiPadを8万円で入れる場合、ソフトは40万円の5分の4で32万円、iPadは8万円の2分の1で4万円。48万円の導入費に対して補助が36万円、自己負担は12万円です。あくまでチラシの数字で、要領で変わる可能性があります。
先に 買うなら 守る こと。 登録製品と 相見積と 書類の 保管
チラシの留意点は3つで、どれも「先に買ったのに対象外だった」を防ぐためのものです。
ひとつめは製品の縛りです。対象になるのは、あらかじめ事務局に登録されているスマートレジやPOSレジなどの製品だけです。家電量販店で好きなタブレットとアプリを買っても、その組み合わせが事務局に登録されていなければ補助は出ません。販売するIT導入支援事業者に「この製品は事務局に登録されていますか」と聞くか、事務局サイトのITツール検索で確認してから買ってください。
ふたつめは見積もりです。チラシは「改修費や役務費については、複数見積等が必要となる場合があります」としています。POSレジの改修や導入研修を頼むなら、1社の見積もりだけで進めず、相見積もりを取って両方とも保管しておくのが安全です。
みっつめは書類です。事後の申請なので、契約、納品、支払いに関する書類を全部残す必要があります。チラシの例示は仕様書、見積書、レシートです。クレジット決済の明細や振込の控え、納品書もまとめて1つのフォルダに入れておく。ここが欠けると、要件を満たしていても証明できなくなります。
もうひとつ、チラシには書いていないけれど先に済ませておきたい準備があります。現行のインボイス枠では、GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言が申請要件で、GビズIDプライムは発行までおおむね2週間かかります。事前着手制度の申請要件は公募要領待ちですが、どちらも取っておいて損はなく、来年1月の受付開始と同時に出せる状態にしておけます。
9月29日締切の 通常申請と、 どちらで 進めるか
ここからは個人的な整理です。今動ける選択肢は2つあります。
通常申請は、9月29日17時締切の5次に出して、11月9日予定の交付決定を待ってから契約する流れです。ルールは公募要領で確定していて、迷う要素が少ない。ただし3次締切分の採択率は44.7%で、落ちれば10月30日締切の6次に出し直しになり、導入は年明けにずれ込みます。
事前着手は、今すぐ導入して来年1月以降に申請する流れです。減税開始までに現場を慣らす時間が取れる一方、公募要領が未公開で、申請要件も上限も変わりうる。入金は早くて来年春以降で、それまで全額立て替えです。
減税開始に間に合わせたくて、レジを替えたあとの慣らし期間を確保したい飲食店や小売店は、事前着手が合っています。急いでいない、または立て替えが厳しい店は、通常申請で交付決定を待つほうが堅い。なお、通常申請と事前着手の両方に出せるのかは公表されていません。現行のインボイス枠は1法人または1個人事業主につき1申請なので、両方に出す前提で動くのは要領が出てからにしてください。
補助率、対象になるハードウェア、加点の条件、採択率の実績は、次の記事にまとめてあります。通常申請で進める人は先にこちらを読んでください。
関連記事: スマートレジ補助金は9月29日締切。小規模事業者なら4/5補助
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本記事は2026年9月18日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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