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補助金ニュース / 持続化補助金 様式3

持続化補助金の様式3。落ちるのは経費明細のほう

公開: 2026年9月14日

持続化補助金で不採択になる理由の半分は、文章ではなく経費明細です。第20回の審査はヒアリングなしで、計画審査の4つ目は「積算の透明・適切性」です。様式2で方針が通っても、様式3の金額が計画と噛み合っていない、対象外の費目が入っている、上限を超えている、と書類だけで落ちます。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。この記事は2026年7月21日公開の第20回公募要領(第8版)を一次情報に、様式3(補助事業計画②)の書き方だけを扱います。経営計画の文章側は別記事に分けました。

関連記事: 持続化補助金の書き方。審査はヒアリングなし、様式2で決まる

先に結論です。ホームページだけ、チラシだけでは出せません。ウェブサイト関連費と広報費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)で、その経費だけの申請は不可です。様式3は「いくら欲しいか」の表ではなく、「様式2で書いた取組を、どの区分の、どの品目で、いくらで実行するか」の対応表です。

様式3は、様式2の請求書側

電子申請で直接入力するのは、申請書(様式1)、経営計画兼補助事業計画①(様式2)、補助事業計画②(様式3)です。様式2が「誰に何を売るか」、様式3が「そのために何を、いくらで買うか」です。

補助金額は、補助対象経費の合計に補助率を掛けた額です。通常の補助率は3分の2、賃金引上げ特例のうち赤字事業者は4分の3。補助上限は50万円で、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円が上乗せされます。様式3に250万円分を書けば250万円もらえる、という意味ではありません。上限と補助率の内側で、計画に必要な額だけが残ります。

審査が見るのは、要領の文言どおり次の2点です。

  • 補助事業計画に合致した、事業実施に必要な経費か
  • 計上と積算が正確・明確で、真に必要な金額か

「あったらいいもの」を足すと、2点目で減点されます。対象外の経費が大半を占めると、円滑な実施が困難だとして不採択または採択取消になると要領にあります。様式3を厚くすることが得点にはなりません。

使えるのは8区分。迷ったら様式2の動詞で分ける

第20回で補助対象になる経費は、この8つだけです。

  1. 機械装置等費
  2. 広報費
  3. ウェブサイト関連費
  4. 展示会等出展費(オンラインの展示会・商談会を含む)
  5. 旅費
  6. 新商品開発費
  7. 借料
  8. 委託・外注費

分け方のコツは、品物の名前ではなく、様式2で使った動詞です。

  • 知ってもらう、配る、載せる → 広報費
  • サイトやシステム、アプリ、業務ソフトを作る・直す → ウェブサイト関連費
  • 店に置き、販路開拓の取組で使う機械や什器 → 機械装置等費
  • 会場に出す、運ぶ、翻訳する → 展示会等出展費
  • その展示会や販路開拓の移動・宿泊 → 旅費
  • 新しい商品やパッケージを試作する → 新商品開発費
  • 機器や会場を借りる → 借料
  • 上のどれにも入らない外注(店舗改装、専門家相談など) → 委託・外注費

同じ「写真」でも、折込チラシ用なら広報費、自社サイトやECに載せる宣材ならウェブサイト関連費です。同じ「工事」でも、移動販売の車内改装は委託・外注費、展示会用に買う機器は機械装置等費、自社イベントの会場代は借料です。迷った行は、様式2のどの段落を実行するための支出かを一文で言えるまで置かない方がいいです。

ソフトウェアは機械装置等費に入れません。ウェブサイトやシステム開発に関するソフトウェアは、ウェブサイト関連費へ、と要領にあります。

30万円の壁。サイトだけ・チラシだけでは出せない

第20回でいちばん多い勘違いは、ここだと思います。

広報費とウェブサイト関連費は、それぞれ補助金交付申請額の上限が30万円(税込)です。さらに、その経費だけの申請はできません。必ず他の区分と組み合わせます。

注意したいのは「経費の上限」ではなく「補助金交付申請額の上限」であることです。補助率が3分の2なら、ウェブサイト関連費として計上できる経費はおおよそ45万円まで、そのうち補助されるのが30万円、という構造です。特例で補助上限が250万円まで上がっても、ウェブサイト部分の30万円は動きません。広報費も同じです。

だから「ホームページを45万円で作り、それだけで申請する」は、書き方以前に受け付けてもらえない設計です。サイトを本命にするなら、様式2の取組を実行するために、機械装置等費、展示会、新商品開発、改装などの他区分が必要になる形にします。逆に、他区分のついでにサイトを足すのも、計画との対応が弱いと積算の審査で残されません。

ウェブサイト関連費に入る例は、商品販売のためのサイト作成・更新、効果と作業内容が明確なSEO、顧客管理システムの構築、アプリ開発、業務効率化のソフトウェア、サイト掲載用の画像や販売用動画です。入らない例は、サイトやシステムに関するコンサルティング、期間内に公開に至らなかったページ、家庭・一般事務用ソフト、すでに入れているソフトの更新料、有料配信する動画、販売目的のシステム開発です。POSソフトは、様式2の業務効率化(生産性向上)の欄に書いた場合に限ります。

広報費に入る例は、チラシ・カタログの外注と発送、新聞・雑誌広告、看板、インターネット広告、SNS広告や運用代行、プレスリリース配信、商品・サービスの宣伝用画像や動画です。入らない例は、会社案内や求人、商品名も宣伝文句もない営業用の広告、未配布のチラシ、補助事業期間外の掲載、名刺、金券です。自社サイトやECで使う動画・写真は広報費ではなく、ウェブサイト関連費です。

行の書き方。品名、必要理由、数量、単価、根拠

様式3の前半は経費明細です。審査が見る「積算が正確・明確か」は、ほぼこの行の粒度です。1行につき、次が揃っているかを自分で確認します。

  • 区分(8つのどれか)
  • 品名や発注内容(「ホームページ一式」ではなく、ページ数、機能、納品物)
  • それが様式2のどの取組に必要か(必要理由)
  • 数量、単価、税込か税抜か
  • 見積の有無と、相見積が要るかどうか

採択後、交付決定までに、価格の妥当性を証明できる見積(相見積を含む)が必要です。見積金額に複数項目があるときは内訳を示します。見積の提出期限は2028年2月29日で、出さないと採択取消です。今の時点で発注はできませんが、見積を取って様式3の金額を寄せておくことはできます。

相見積の線はこうです。発注総額(1件あたり)が50万円超(税込)は、2者以上から見積を取り、安い方を選びます。性質上むずかしい場合は、随意契約の理由書を採択後〜交付決定までに出せます。例外は中古品で、金額を問わず2者以上の中古品販売事業者からの見積が必須です。個人からの購入やオークションは不可で、理由書での随意契約も認められません。中古は購入単価50万円(税抜)未満に限られます。

消費税の扱いも先に決めておきます。課税事業者は、原則として消費税等を補助対象経費から除いて申請します。免税事業者、簡易課税、2割特例の申請者は、要領が別に扱っています。旅費の出入国税だけは対象、と注記があります。迷う人は、入力前に自分の課税区分を税理士か商工会で確認した方が、様式3を二度書くことになりません。

区分ごとの、よく切られる

要領の「対象とならない経費例」は、そのまま様式3のチェックリストになります。多いものを先に書きます。

機械装置等費。 単なる取替え更新、パソコンやタブレット、複合機、電話、家庭用家電など汎用性が高く目的外使用になり得るもの、自動車(自走式の作業機械を除く)、自転車、顧客に貸すコインランドリーや貸倉庫の機械、販売・賃貸する商品としての仕入れは対象外です。使う目的が本事業の販路開拓に特定できるものだけが残ります。単価50万円(税抜)以上は処分制限財産になります。

展示会等出展費。 出展料のほか、関連する運搬費(レンタカー、ガソリン、駐車場は除く)、通訳、翻訳は対象です。決定前の出展申込はできますが、請求日や支払日が交付決定より前だと対象外です。販売だけで販路開拓にならない出展、期間外の開催、選考会や賞への参加費、飲食込みの商談会費も対象外です。

旅費。 様式2に書いた販路開拓のための出張に限ります。日当、ガソリン、駐車場、タクシー、レンタカー、高速、グリーン車、ビジネスクラスの加算、朝食付きプランの朝食相当、視察やセミナー、個社同士の営業は対象外です。公共交通の実費で、国の支給基準を超えた分は切れます。必要最低限の人数、と要領にあります。

新商品開発費。 試作の原材料、新しい包装のデザインは対象です。使い切る数量に限り、受払簿が必要です。テストマーケティングか市場調査の内容と結果を様式2に書かないと、この区分は対象外になります。未実施なら実績報告で書く必要があります。試作をそのまま売る場合の開発費、余った材料、既存パッケージの印刷、販売用パッケージの量産は対象外です。

借料。 本事業に使う機器や会場のリース・レンタルです。通常の事務所家賃は対象外で、新しい販路開拓のために新たに借りる場合に限って対象になり得ます。そのときは床面積の按分資料が審査時に必要です。契約期間が補助事業期間を超える分は按分します。

委託・外注費。 1〜7に入らない、自分では実行困難な業務です。店舗改装、バリアフリー、ガスや水道の工事、インボイス対応のための税理士・公認会計士・中小企業診断士への相談は例に挙がっています。通常自社でやっているデザインの外注、営業代行、諸経費、建物の増築や不動産取得、申請書類や実績報告書の作成費は対象外です。ウェブサイトやシステムは、ここではなくウェブサイト関連費です。成果物が委託者に帰属する契約が必要です。

全区分共通で切られるものも、様式3に混ざりやすいです。交付決定前の発注・契約・支払い、自社や親族・関連会社への発注、フランチャイズ本部との取引、消耗品、通信費、飲食、人件費、振込手数料、成功報酬型の費用、1取引10万円超(税抜)の現金、補助事業期間内に引落が終わらない分割やリボ、内訳不明の「諸経費」です。クレジットカードは申請者名義で、期間内に口座から引き落とされる分だけが対象です。代表者個人のカードは立替扱いで、帳簿で追えなければ対象外です。

国の他の制度と同一または類似の事業も対象外です。介護報酬が付くサービス、保険診療の機械や、保険診療の宣伝を兼ねるチラシは、要領が例に挙げています。整骨院や薬局で様式3を書く人は、保険に触れる行がないかを先に見てください。

空の明細。食堂のテイクアウト導線

以下は架空の個人経営の食堂です。実在の店ではなく、区分の組み合わせ方を見るための例です。金額も仮です。

様式2側の取組は、駅側の新しい住民に昼のテイクアウトを知らせ、注文をフォームでも受け、折込で知らせる、とします。様式3は、その3動作に対応する行だけを残します。

  • ウェブサイト関連費: メニューと受け取り時間を出す1ページと注文フォーム。制作30万円、運用開始を補助事業期間内にする。補助金交付申請額は上限の30万円(税込)に収める
  • 広報費: 半径2キロ、月2回の折込。原稿と配布を外注。こちらも交付申請額30万円(税込)以内
  • 機械装置等費: テイクアウト用の保温陳列と、駅側からの動線で使う店頭の掲示スタンド。汎用のタブレットやレジは入れない
  • 新商品開発費: 家庭用の週替わりメニューの試作材料。使い切る数量と、味見の結果を様式2に書く前提

サイトと折込だけでは出せないので、機械か試作か改装か、様式2の取組を実行するために他区分が必要になります。この例では、テイクアウトを店頭で成立させる什器と、新メニューの試作を足しています。「サイトを通すために什器を足した」ではなく、「テイクアウト導線を開くために、知らせる・注文を受ける・渡す、が全部要る」という順番です。逆になると、積算の「真に必要な金額か」で切れます。

数字の検算は、各行の税込額を足し、補助率3分の2を掛け、50万円(特例を使うならその上限)で頭打ちになるかを見ます。ウェブサイトと広報は、先に30万円で頭打ちにしてから全体を足します。

出す前に、明細で見る7つ

様式4の発行依頼に持っていく前に、様式3だけを次で点検します。

  1. 8区分の外の行がないか
  2. 広報費・ウェブサイト関連費を単独にしていないか。それぞれの交付申請額が30万円(税込)を超えていないか
  3. 各行が様式2のどの段落の実行費か、一文で言えるか
  4. 「一式」で内訳が消えていないか
  5. 50万円超(税込)の発注に相見積の予定があるか。中古なら金額を問わず2者か
  6. 交付決定前に発注・請求・支払いが発生するスケジュールになっていないか
  7. パソコン、自動車、家賃、人件費、申請書作成費、諸経費が混ざっていないか

見積は今から取れます。発注は交付決定通知書の日付以降です。展示会の出展申込だけは決定前でも構いませんが、請求は決定日以後にします。採択通知書だけでは事業を始められません。

第20回の受付は2026年11月5日から12月15日(火)17時、様式4の発行受付は12月4日までです。明細の数字を見積に寄せる作業は、文章より時間がかかります。10月中に見積を揃え、11月上旬の窓口予約に間に合わせる前提で動いた方がいいです。スケジュールと第19回からの変更点は、次の記事に分けます。

持続化補助金は後払いで、自己負担が必要です。様式3は「もらえる額の見積」ではなく、「自分で立て替える額の内訳」でもあります。業種とやりたいことから、今出せる制度を先に確かめたい人は、デルカモの無料診断を使ってみてください。

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本記事は2026年9月14日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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