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補助金ニュース / 持続化補助金 災害支援枠

持続化補助金の災害支援枠、熊本地震の1次公募は10月16日締切

公開: 2026年9月10日

令和8年熊本地震で被害を受けた小規模事業者向けの「小規模事業者持続化補助金〈一般型 災害支援枠(令和8年熊本地震)〉」の1次公募要領が、9月9日に公開されました。申請の受付は2026年9月16日水曜から10月16日金曜までです。補助上限は店舗や機械など事業用資産に直接の被害があった事業者で200万円、売上減少の間接被害で100万円、補助率は3分の2です。今回は特例として、地震が起きた7月28日以降に交付決定を待たずに払った修理代なども、条件を満たせば遡って補助の対象になります。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。熊本地震については8月9日に「復旧の補助金はあとから来る」と書き、8月30日に支援パッケージの決定を整理しました。今回はその「あとから来た」補助金のうち、いちばん小さい事業者向けの枠が実際に動き出した話です。商工会議所地区と商工会地区で事務局が分かれていますが、両方の公募要領PDFを突き合わせたところ中身は同じでした。

対象は熊本県内の小規模事業者。直接被害と間接被害で上限が違う

対象は、熊本県内に事業所があり、令和8年熊本地震の被害を公的な書類で証明できる小規模事業者です。小規模事業者の線引きは、商業とサービス業が常時使用する従業員5人以下、宿泊業と娯楽業が20人以下、製造業その他が20人以下。個人事業主も対象で、法人税法上の収益事業を行う特定非営利活動法人も一定の条件で入ります。役員や同居の親族従業員は人数に数えません。

被害の種類で上限が変わります。

  • 直接被害は、店舗や工場、機械などの事業用資産に損壊があった場合で、上限200万円。市町村が発行する罹災証明書などで証明します。在庫や棚卸資産の損害は「事業用資産の損壊」には当たらないと公募要領に明記されています
  • 間接被害は、地震に起因して売上が落ちた場合で、上限100万円。令和8年7月から9月のうち任意の1か月の売上高が前年同月比で20%以上減っていることが条件で、セーフティネット保証4号の認定書や自治体が独自に発行した証明書で示します

「熊本県内に所在する」の意味は、補助を受けて再建する店舗や工場が県内にあることです。登記上の本店が県外でも実際の店が県内なら対象になり、逆に本店だけ県内にあって事業所がない場合は対象外です。

対象外になる人も確認しておいてください。地震の発生時点で事業を始めていなかった創業予定者は、開業届を出していても申請できません。過去に持続化補助金(一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠、創業型)で採択されて、事業効果の報告書(様式14)を出していない事業者も対象外です。医師や歯科医師、一般社団法人、医療法人などが対象にならないのは通常の持続化補助金と同じです。

補助率は3分の2。定額(全額)は5つの条件がそろった人だけ

補助率は補助対象経費の3分の2以内です。上限200万円をもらうには300万円分の経費、上限100万円なら150万円分の経費が必要で、残りは自己負担になります。補助金は後払いなので、先に全額を自分で払う資金繰りも考えておく必要があります。

8月27日の支援パッケージで「多重被災の事業者は定額補助」と示されていた部分は、公募要領で条件がはっきりしました。定額(自己負担なしの全額補助)になるのは、直接被害を受けた事業者のうち、次の5つをすべて満たす場合です。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた
  2. 令和8年熊本地震から過去10か年度以内に起きた激甚指定災害で事業用資産の被災を証明でき、その復旧に国などの支援を使った
  3. その災害以降に売上が20%以上減った復興途上にあるか、地震発生時に厳しい債務状況にあって認定経営革新等支援機関の確認を受けている
  4. 交付申請の時点で、過去の災害からの復旧のために抱えた債務が残っている
  5. 今回の地震で施設や設備が被災し、その復旧を行う

令和2年7月豪雨のような過去の激甚災害で被災して補助金や融資で立て直し、その借入がまだ残っているところに今回の地震が来た、という事業者を想定した条件です。該当する人は、当時の罹災証明や交付決定通知、債務の契約書と残高がわかる書類の写しが追加で要ります。当てはまるかどうか迷ったら、自己判断せず商工会・商工会議所に確認するのが早いです。

地震の日以降に払った修理代も対象になる特例

この公募でいちばん大きいのは、経費の遡及の特例だと思います。通常の補助金は、交付決定の前に発注や支払いをした経費は対象外です。この原則は今回の公募要領にも書かれていますが、そのすぐ下に特例があります。令和8年熊本地震で被災した日以降、交付決定の前に行った事業で発生した経費も、写真や書類で確認でき、適正と認められるものは遡って補助対象にすると明記されました。補助事業の実施期間も「交付決定日から」ではなく、特例として被災した日以降の事業開始日からになっています。

つまり、地震のあと営業再開のために自分で払った店舗の修繕費や機械の買い替え費用が、あとから3分の2戻ってくる可能性があります。条件は、その時に取った見積書や領収書、施工前後の写真が残っていることです。すでに払ってしまった人は、まず領収書と写真を全部集めてください。これから発注する人も交付決定を待たずに動けますが、1件50万円を超える発注は2者以上の相見積もりが要るので、見積書と写真は必ず残しておくことをすすめます。

対象経費は11区分で、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、設備処分費、修繕費、委託・外注費、車両購入費です。通常の持続化補助金と違う点が2つあります。修繕費が独立した区分になっていて、被災した店舗や機械を被災直前の状態に戻す費用を計上できます。看板の建て替えもここです。車両購入費は、事業に使っていた車が被災した場合に限って認められ、被災車両の廃車証明書や写真、その車が事業用だったことがわかる資産台帳や保険の証明が必要です。店舗改装のように直前の状態に戻す以上の工事は修繕費ではなく委託・外注費で、建物の増築など不動産の取得に当たるものは対象外です。パソコンやタブレットのような汎用性の高いものが対象外なのも通常の持続化補助金と同じです。

締切は10月16日。商工会・商工会議所の確認書は10月9日まで

日程を並べます。

  • 公募要領の公開は9月9日。申請受付の開始は9月16日水曜
  • 支援機関確認書(様式3)の発行受付は10月9日金曜まで
  • 申請の締切は10月16日金曜。郵送は当日消印有効、電子申請は17時
  • 採択発表は11月頃の予定で、交付決定は採択から1か月程度かかる場合があると事務局は案内している
  • 補助事業の実施期限は2027年10月31日。実績報告の期限は事業完了から30日後か2027年11月10日の早い方

見落としやすいのは様式3の締切です。この補助金は商工会・商工会議所の支援を受けて経営計画を作ることが前提で、地域の商工会・商工会議所が発行する支援機関確認書がないと申請できません。その発行受付が申請締切の1週間前に閉まります。しかも公募要領は、締切以降の発行依頼はいかなる理由があってもできないと書いています。10月16日を目標にすると間に合わないので、10月9日を締切だと思って動いてください。

もう一つ、社外の代理人だけで商工会・商工会議所に相談したり様式3の発行を依頼したりすることはできない、と公募要領が明記しています。申請代行業者に丸投げする形は、この枠では最初から通りません。第三者の支援を受けた場合はその相手と金額を経営計画書(様式2)に書く欄があり、書かないと虚偽報告として不採択になります。

1次公募の締切後に2次公募を案内する予定だと公募要領にあります。ただ、遡及の特例で早く動いた人ほど得をする建て付けなので、書類がそろうなら1次で出すべきです。同一事業者の応募は1件までで、複数の屋号を持つ個人事業主も1件です。

最初に動くのは罹災証明とGビズID

必要書類のうち、時間がかかるものから並べます。

  • 罹災証明書などの公的書類。直接被害の証明で、原則として事業者名義のものが要ります。間接被害の人はセーフティネット保証4号の認定書か自治体の証明書
  • GビズIDプライムのアカウント。電子申請に必要で、取得に数週間かかると公募要領に書かれています。9月16日の受付開始に合わせるなら今日申請しても間に合うかどうか、という時期です。郵送でも申請できるので、間に合わない人は郵送を選べます
  • 直近の確定申告書(個人事業主)か決算書(法人)の写し
  • 経営計画書(様式2)と、商工会・商工会議所が発行する支援機関確認書(様式3)

公募要領の第1版では、郵送先と電子申請のURLがどちらも「現在調整中」です。9月16日までに事務局サイトで案内されるはずなので、提出先は最新の公募要領で確認してください。商工会議所の管轄地域と商工会の管轄地域で事務局が別で、送り先を間違えると受理されません。自分の地域がどちらか分からないときは、中小企業庁の公表ページに管轄が分からない人向けの電話番号が載っています。

正直に書くと、200万円は店舗を建て直せる金額ではありません。工場や店舗の復旧そのものは、8月28日に経済産業省が公表した自治体連携型補助金(最大4分の3補助、上限3億円)の守備範囲です。持続化補助金の災害支援枠は、什器の買い直しや看板の修繕、販路を取り戻すための広告など、営業再開の最後のひと押しに使う枠だと考えたほうが実態に近いと思います。ただ、地震の日まで遡って経費を認める補助金は多くありません。7月28日以降に払った領収書を一度全部並べてから、申請するかどうかを決めてください。

関連記事: 熊本地震の支援パッケージ決定。事業者が使える支援を整理した

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本記事は2026年9月10日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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