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補助金ニュース / デジタル化・AI導入補助金 7次

デジタル化・AI導入補助金、7次から賃上げ要件に「1年後」が加わる

公開: 2026年10月15日

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)は、12月1日17時締切の7次締切分から一部の要件が変わります。事務局が2026年10月9日に発表しました。一番大きいのは賃上げの要件で、これまでの「3年間の年平均で1人当たり給与支給総額を3%以上伸ばす」に、「1年後に3%以上伸ばす」が加わります。ただし、初めて申請する事業者が通常枠で150万円未満を申請するなら、賃上げは今も申請の条件ではありません。10月30日17時締切の6次締切分までは、変更前のルールのままです。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。今回は10月9日に公開された「第7回公募以降」の公募要領と、変更前の8月28日改訂版を1文ずつ突き合わせました。この記事では、変更点そのものより、自分の申請に関係があるかどうかの見分け方を中心に書きます。

変わるのは12月1日締切の7次から

事務局のお知らせに書かれた変更は3つです。

  • 賃上げの申請要件に「1年後」の目標が加わる(通常枠、インボイス枠の2類型、セキュリティ対策推進枠)
  • 通常枠の補助率が2/3になる条件で、判定に使う期間と最低賃金が1年新しくなる
  • 最低賃金に関する加点項目の基準が、令和8年の数字に置き換わる

公募要領を比べると、お知らせにない変更がもう1つありました。賃上げと労働生産性の計画について、どの事業年度を起点にするか(基準年度)が明記されたことです。賃上げは「交付申請日が含まれる事業年度」、労働生産性は「その前の事業年度」が基準です。これまでの要領には書かれていませんでした。

スケジュールは変わっていません。6次締切分は10月30日(金)17時締切で、交付決定は12月10日の予定です。7次締切分は12月1日(火)17時締切で、交付決定は2027年1月19日の予定です。

賃上げ要件に「1年後に3%以上」が加わる

ここでいう「1人当たり給与支給総額」は、給与支給総額を従業員数で割った金額です。給料、賞与、残業手当や家族手当などの各種手当を含み、役員報酬、福利厚生費、会社負担の社会保険料(法定福利費)、退職金は含みません。パートの人は、正社員の就業時間に換算して人数を数えます。

これまで賃上げ要件がかかる事業者に求められていたのは、3年間の事業計画で、この金額を年平均3%以上伸ばすことでした。7次からは、それに加えて「1年後に3%以上伸ばす」ことも申請の要件になります。過去にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者は、どちらも3.5%以上です。

数字で言うと、1人当たりの給与支給総額が年300万円の会社なら、1年後に309万円以上、過去に交付決定を受けた会社なら310万5千円以上が目標になります。基準は申請した日が含まれる事業年度なので、たとえば3月決算の会社が11月に申請すると、2026年4月から2027年3月までの1年が基準になります。

気になるのは未達のときの扱いですが、公募要領には、1年目も達成したかどうかを判断するものの、未達成でも補助金の返還は求めないと書かれています。返還を求める場合があるのは、これまでどおり3年目の終わりに年平均の伸びが目標に届かなかったときです。それも、付加価値額が増えておらず、かつ3年のうち過半数の年が営業赤字だった場合や、天災のような事情がある場合は、返還を求めないとされています。

つまり今回の追加で、お金を返すリスクがすぐに増えるわけではありません。変わるのは、計画を立てる段階で、1年目から3%上げる数字を書かなければならない点です。1年目は据え置いて2年目と3年目でまとめて上げる、という計画は7次からは書けなくなります。

賃上げが申請の条件になる人、ならない人

賃上げの要件がかかるかどうかは、申請する枠、補助金の申請額、IT導入補助金2022から2025までに交付決定を受けたことがあるかの3つで決まります。

  • 通常枠で150万円以上を申請する人は、全員かかる。1年後3%以上、年平均3%以上、事業所で一番低い時給(事業場内最低賃金)を地域別最低賃金より30円以上高くすることの3つ
  • 通常枠で150万円未満を申請する人は、過去に交付決定を受けた人だけかかる。1年後3.5%以上と年平均3.5%以上
  • インボイス枠とセキュリティ対策推進枠も、過去に交付決定を受けた人だけかかる。1年後3.5%以上と年平均3.5%以上

要件がかかる人は、どの場合も、申請する時点で賃上げの計画を従業員に伝えていることが必要です。伝えたと申告して実際には伝えていなかった場合は、交付決定が取り消されます。

逆に、初めて申請する人が通常枠で150万円未満を申請する場合や、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠に申請する場合は、7次からも賃上げは申請の条件ではありません。賃上げの計画は加点項目のままです。保険医療機関や薬局、介護サービス事業者、社会福祉事業を行う事業者、学校などは、もともとこの賃上げ要件の対象外で、7次からも変わりません。

従業員を雇っている店や事務所で、150万円以上の通常枠を考えているなら、来年の給料をどれだけ上げるかを先に決めてから申請することになります。

通常枠の補助率2/3は、判定の期間が1年ずれる

通常枠の補助率は1/2以内です。最低賃金に近い時給で人を雇っている事業者は、2/3以内に上がります。その条件が、7次から次のように変わります。

これまでは、2024年10月から2025年9月までの間に、その時点の地域別最低賃金以上で、令和7年度に改定された最低賃金より低い時給で雇っている従業員が全従業員の30%以上いる月が、3か月以上あることでした。7次からは、期間が2025年10月から2026年9月まで、比べる相手が令和8年度に改定された最低賃金に変わります。

すごく雑に言うと、今年の改定後の最低賃金を下回る時給で働いていた人がどれだけいたかを、直近1年で数え直すということです。今年の改定額と発効日は都道府県ごとに違います。自分の県の金額は、最低賃金の発効日一覧で確認できます。

2/3を受けるには、事務局の様式(賃金状況報告シート)で示す必要があります。150万円以上の申請にも適用されます。経費が600万円なら、1/2では300万円、2/3では400万円で、差は100万円です。

加点の基準は「令和8年6月の事業場内最低賃金+55円」

最低賃金に関する加点項目も、数字が置き換わりました。交付申請の直近月の事業場内最低賃金を一定以上に上げていると加点される項目で、これまでの基準は「令和7年7月の事業場内最低賃金+63円以上」でした。7次からは「令和8年6月の事業場内最低賃金+55円以上」です。通常枠、インボイス枠の2類型、セキュリティ対策推進枠のすべてで同じ基準になっています。

この加点は、計画ではなく、申請する時点ですでに上げていることが条件です。6月に事業所で一番低かった時給と、申請直前の月に一番低い時給を賃金台帳で比べ、55円以上上がっているかを確かめてから加点を申告してください。

6次に間に合わせるか、7次に回すか

賃上げ要件がかかる人にとって、1年後の目標を書かずに済むのは10月30日締切の6次までです。ただ、前に書いたとおり、1年後の未達で返還を求められることはありません。6次でも年平均の賃上げ計画は必要です。1年後の要件を避けるためだけに6次へ急ぐ必要は薄いと私は考えています。

私が判断の材料にするのは、補助率2/3の条件のほうです。6次なら2024年10月から2025年9月まで、7次なら2025年10月から2026年9月までの賃金で判定されます。最低賃金近くで働く人が多い店は、賃金台帳で両方の期間を数えてみて、条件を満たすほうの回に出すのが筋です。

どちらの回でも、この補助金は登録されたIT導入支援事業者(ソフトの販売事業者)と一緒に申請を作ります。申請マイページへの招待もITツールの情報の入力も相手の作業なので、6次に出すなら、販売事業者には今週中に連絡しておくのが安全です。交付決定の前に契約や支払いを済ませると補助金は受けられないので、7次に回す場合、導入できるのは1月19日予定の交付決定の後です。

これまでの採択率や、減点される条件は前回の記事に書きました。

関連記事: デジタル化・AI導入補助金の採択率、通常枠は44.4%。4回分を並べた

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本記事は2026年10月15日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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