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補助金ニュース / 北陸 大雨 復旧 補助金

北陸大雨の復旧補助金、富山は10月29日・石川は11月20日締切

公開: 2026年10月14日

8月27日からの大雨で被災した事業者向けに、石川県と富山県が10月8日、施設や設備の復旧費を補助する制度の募集を同じ日に始めました。補助率はどちらも小規模事業者が3分の2以内、中小企業が2分の1以内です。ただし上限は石川県が200万円、富山県が1,500万円で、締切は富山県の第1回が10月29日、石川県が11月20日。個人事業主も申請できます。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領や官公庁の発表を毎日読んでいます。8月31日にこの大雨の記事を書いたときは、復旧費の補助金が出るかどうか「現時点では書けません」としていました。発災から6週間で、両県の補助金という形で出てきたので、公募要領と手引きを読み比べました。申請書の出し先から建替の扱いまで、県境をまたぐと変わる点がいくつもあります。

石川と富山で違うのは上限・締切・出し先

制度の骨組みはよく似ています。壊れた店や機械を元に戻す費用の一部を、後払いで補助する。違いが出るのは次の4点です。

  • 上限は石川県が200万円、富山県が1,500万円。石川県は、令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨・令和7年8月の大雨でも被災していた事業者に限り、300万円まで上がります
  • 募集期間は石川県が10月8日から11月20日まで。富山県は第1回が10月8日から10月29日、第2回が11月16日から12月4日です。郵送の場合は、どれも締切日の消印まで有効です
  • 申請書の出し先は、石川県が最寄りの商工会か商工会議所、富山県は県庁の経営支援課です
  • 施設の建替は、石川県では対象外。富山県は、修繕での復旧が難しいと認められれば対象になる場合があります

上限の差がどう効くか、小規模事業者(補助率3分の2)で計算してみます。復旧費が税抜300万円なら、補助額はどちらの県でも最大200万円です。復旧費が900万円になると、富山県は最大600万円、石川県は上限の200万円(特例に当たる人は300万円)で止まります。被害が大きいほど、県による差が開きます。

小規模事業者に当たるかどうかは従業員の数で決まり、両県とも同じ線引きです。商業とサービス業は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下。会社の役員と個人事業主本人は、この人数に数えません(従業員を兼ねている役員は数えます)。

石川県は去年8月の大雨のときも、上限200万円・同じ補助率の補助金を出していました。県の公表では、去年は12月9日に34件、総額4,109万4千円を交付決定しています。割り算すると1件あたり約121万円です。

対象は被災証明を取れる事業者。適用市町に限るとは書かれていない

対象になるのは、今回の大雨で被害を受けた県内の中小企業と小規模事業者です。株式会社や合同会社のほか、商工業を営む個人事業主、企業組合、士業法人も入ります。医師や歯科医師、医療法人、社会福祉法人、一般社団法人、協同組合、系統出荷の収入しかない個人の農業者は対象外です。大雨の時点でまだ事業を始めていなかった創業予定の人も申請できません。

国の融資や保証の支援は、災害救助法が適用された市町を起点に動いていました。この補助金は書き方が違います。石川県の公募要領にも富山県の手引きにも、災害救助法の適用市町に限るという条件はありません。求められているのは、市町村が発行する被災証明、罹災証明、被災届出証明などで、発行日が8月27日以降のものです。石川県のチラシの問い合わせ先には、羽咋市・中能登町・宝達志水町の商工会と並んで、小松と加賀の商工会議所も載っています。適用市町の外で被害を受けた人も、まず市役所や町役場で証明が取れるかを確認してください。

もうひとつ、両県に共通する条件があります。補助事業が終わるまでに、事業継続計画(BCP。災害時に事業をどう続け、どう立て直すかを決めておく計画)を作ることです。自社で作ったBCPでも、経済産業省の認定を受ける事業継続力強化計画でもかまいません。石川県は県のBCP計画シート(Excelの様式)も用意しています。作った計画は実績報告のときに出します。

富山県は申請書類に納税証明書が入っていて、県税を滞納している人と、営業に必要な許認可を取っていない人は対象外です。

元に戻す費用が対象。パソコンや清掃費は出ない

補助の対象は3種類です。店舗・事務所・工場などの建物や駐車場の修繕、機械などの設備の修理と入替、業務用の車の修理と入替。商品や原材料がだめになった損失は対象になりません。

原則は、固定資産台帳に載っている資産であることです。建物と設備は、台帳に載っていなくても、売買契約書や購入先の証明で「被災前から持っていて、事業だけに使っていた」と示せれば対象になる場合があります。車については、会社名の入った外観写真や運行日誌のように、事業専用だとわかる資料も求められます。

設備と車は修理が原則です。修理できないと認められれば、同じ程度の機能のものに買い替える費用が対象になります。前より性能の高いものに替えてもかまいませんが、補助の計算に入るのは元に戻すための費用までです。修理できるのに買い替える場合も同じ考え方で、石川県の概要資料の例では、修理すれば100万円で直る機械を500万円の新型に替えると、補助額は100万円に補助率を掛けた額になります。

車の買い替えには、もう一段の条件があります。石川県の資料によると、買い替えで申請するなら被災した車を廃車(永久抹消)にする必要があり、下取りに出せる車は修理できる車とみなされて、買い替えでの申請はできません。

対象にならないものも両県でほぼ同じです。

  • パソコン、タブレット、スマートフォン、複合機、什器のように、事業以外にも使えるもの
  • 施設の清掃や消毒の費用、解体工事、土地のかさ上げ
  • 住居として使っている部分の修繕、社長車や通勤にも使える車

流れ込んだ土砂や壊れた設備の撤去と処分は、修繕や入替と一体で行う分なら対象に入ります。撤去と処分だけの申請はできません。

保険金を受け取った場合は、その分を復旧費から引きます。石川県の資料の例だと、修繕費400万円に保険金が100万円出たなら、残りの300万円に補助率を掛けます。保険を請求できるのに請求していない費用は、対象から外れます。

借りている店舗やリースの機械は、原則として持ち主である大家やリース会社が申請します。大家に直す意思がないなど、借りている側に責任のない事情があれば、店子や使用者が申請できる場合があります。

すでに直した分も対象。ただし見積と支払い方に条件がある

災害の補助金でいちばん気になるのは、もう直してしまった分がどうなるかだと思います。両県とも、8月27日以降に着手したものであれば、交付決定の前に発注や支払いを済ませていても、適正と認められる範囲でさかのぼって対象になります。

ただし、通常のルールがそのまま掛かります。先に直した人ほど、次の3つを確認してください。

  • 税込100万円以上の発注は、2社以上の見積書が要ります。すでに発注済みで取れない場合は、理由書を出します(石川県は業者選定理由書、富山県は見積書が不足している理由書)
  • 中古品は金額にかかわらず2社以上の見積書が必要で、個人やネットオークションからの購入は対象外です
  • 支払いは銀行振込が原則で、1回の取引で税抜10万円を超える現金払いは対象になりません

3つ目は、被災直後に現金で業者に払った人が引っかかります。両県とも、募集開始より前に10万円を超える現金払いをしていた場合は別途相談するよう書いているので、領収書を持って窓口に聞いてください。代表者や従業員の個人のクレジットカードで払った分は、帳簿で立替払いと確認できなければ対象外です。ローンで買った車は、期限までに支払いが終わっていないと対象になりません。

8月31日の記事では、片付けの前に被害の写真を撮る、罹災証明書を申請する、見積書と領収書を残す、の3つを書きました。申請書類を見ると、被害状況がわかるカラー写真、市町村の被災証明、見積書がそのまま必須書類になっています。

工事の完了は1月。締切より工期を先に見る

補助金は後払いで、期限までに工事と支払いが終わっていることが条件です。申請の締切より、こちらの期限のほうが厳しい人が多いはずです。

石川県は、11月20日に申請を締め切り、交付決定の通知は12月上旬の予定です。工事と支払いの期限は令和9年1月20日。実績報告は、事業が終わってから1か月以内か1月29日の、どちらか早い日までに出します。審査は書類だけで、ヒアリングはありません。

富山県は、申請が届いた順に審査して交付決定を出します。事業の期限は令和9年1月29日で、実績報告書も同じ1月29日までに出す必要があります(事業完了から20日以内か1月29日の早いほう)。第2回の締切は12月4日なので、そこから期限まで8週間しかありません。

どちらの県も、交付決定を待たずに工事を進められます。ただ、不採択なら全額が自己負担です。業者に1月の期限までに終わるかを確かめ、その費用が対象に入るかを窓口に聞いてから発注するのが安全だと思います。

石川で能登半島地震の被害もある人は、なりわい補助金を確認

石川県には、もう1本の道があります。今回の大雨で壊れた施設や設備が、令和6年能登半島地震や令和6年奥能登豪雨ですでに被害を受けていたものなら、石川県なりわい再建支援補助金を使える場合があります。

県の資料によると、なりわい補助金の交付決定前であれば、地震や豪雨の復旧費に今回の大雨の復旧費を加えて申請できます。交付決定のあとでも、増額の変更や再申請ができます。工事が始まっている場合は、工事を止めてから県の相談窓口に連絡する決まりです。補助金の支払いまで終わっている場合は使えず、今回の補助金で申請します。被害が今回の大雨だけなら、なりわい補助金は対象外です。

上限が300万円に上がる特例は、これとは別の話です。過去の3つの災害のいずれかで被災した事業者であることを、当時の被災証明などで示せば、今回の補助金の上限が200万円から300万円になります。

福井県は補助金ではなく、利子補給つきの融資

同じ大雨で災害救助法が適用された福井県は、形が違います。県の緊急支援メニュー(10月9日更新)に商工業の事業者向けとして載っているのは、特別相談窓口と制度融資です。10月14日に確認した時点で、商工業者の復旧費を補助する制度は載っていません。

10月8日に受付が始まったのは「中小企業支援緊急資金(令和8年8月大雨)」という県の制度融資です。限度額は1億円、期間は10年以内(据置2年以内)、利率は年1.70%以下で、当初5年間は利子の3分の2が補給されます。保証料も3分の2の補給があります。対象は、事業用の資産に直接被害を受けた、あわら市・坂井市・福井市・永平寺町・勝山市・大野市のいずれかに事業所がある中小企業者。取扱期間は12月28日までです。

申請書の作成費は対象外。窓口に聞くのがいちばん早い

デルカモで広告テストをしたとき、問い合わせの約6割は「申請を代行してほしい」という相談でした。被災して手が回らないときほど、誰かに任せたくなると思います。

富山県の手引きは、1ページ目でこの点に触れています。外部の支援機関を使うこと自体は妨げないが、高額な成功報酬を請求する悪質な業者も見られるので注意してほしい、という内容です。申請書や実績報告書の作成にかかった費用は、両県とも補助の対象になりません。

石川県の場合、申請書を受け取るのは地元の商工会と商工会議所です。出し先がそのまま相談先になります。県庁の経営支援課や能登事業者支援センターに送っても受理されないので、宛先だけは間違えないでください。

  • 石川県の資料と様式は県の補助金ページにあります。問い合わせは石川県商工労働部経営支援課(076-225-1525、平日9時から17時)と各商工会・商工会議所
  • 富山県は県の補助金ページから。郵送先と問い合わせは富山県商工労働部 経営支援課 地域産業・商業活性化担当(076-444-3249)
  • 福井県の融資は県の案内ページに条件が載っています。県の特別相談窓口は経営改革課内(0776-20-0750、平日8時30分から17時15分)

発災直後に国が出した融資や保証の支援は、8月の記事にまとめています。資金繰りが先に苦しくなっている人は、あわせて読んでください。

関連記事: 富山・石川・福井の大雨。被災した事業者が使える支援を整理した

正直に書いておくと、石川県と富山県のこの補助金は郵送での申請(石川県は持参も可)で、jGrants(国の補助金電子申請システム)には載っていません。jGrantsの公募を毎日同期しているデルカモの検索にも出てきません。復旧のめどが立って、設備の入れ替えや販路の立て直しに使える制度を探す段階になったら、地域とやりたいことから募集中の制度を確認できます。

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本記事は2026年10月14日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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