補助金ニュース / 埼玉県 DX 補助金
埼玉県の DX補助金に 追加募集。 10月30日16時締切、 3/4補助
公開: 2026年10月16日

埼玉県の「埼玉県中小企業DX導入支援補助金」は、10月1日から追加募集を受け付けています。締切は10月30日(金)16時です。会計ソフトやPOSレジ、予約管理システムなどの導入費の3/4を、7万5千円から300万円まで補助します。6月の県の発表では募集は第3期の9月30日までの3回だけで、追加募集は9月30日に後から足されました。9月で終わったと思っていた人は、まだ間に合います。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を読むのが日課になっています。今回は県の交付要綱、9月30日版の公募要領、10月6日時点のQ&Aを読み合わせました。補助率3/4は国のデジタル化・AI導入補助金より高い一方で、申請できない人や対象にならない経費の線引きがはっきり書いてある制度です。個人事業主と小さな会社の目線で、申請前に確かめてほしい点を整理します。
会計ソフトも POSレジも、 導入費の 3/4が 戻る
補助の対象は、生産性を上げるためのシステムやソフトです。県はこれを「DXツール」と呼んでいて、例として顧客管理、予約管理、モバイルオーダー、POSレジ、販売管理、電子契約、キャッシュレス決済、在庫管理、会計、経費精算、勤怠管理、給与計算、シフト管理、グループウェアなどを挙げています。例に載っていないツールでも、生産性の向上につながると説明できれば対象になり得ます。
対象になる経費は3つです。ツールそのものの購入費、そのツールを動かすのに必要な機器の購入費、設置や設定などの導入作業費です。リースやクラウド、サブスクリプションの利用料も入りますが、数えられるのは最大1年分までです。導入作業費は経費全体の半分までに抑える必要があります。
補助額は経費(税抜)の3/4で、経費40万円なら30万円です。経費が10万円に届かないと申請できず、上限の300万円に達するのは経費400万円のときです。
ツールの 指定は ない。 パソコンと タブレットは 原則対象外
公募要領には、導入するツールの製品名やメーカー、型番に制約はないと書かれています。国のデジタル化・AI導入補助金は事務局に登録されたITツールしか使えないので、ここは大きな違いです。ノーコードツールや、既製品を自社向けに調整するセミスクラッチも対象になり得るとQ&Aにあります。一から作るフルスクラッチの開発は対象外です。
その一方で、汎用的なパソコン、タブレット、スマートフォンは原則として対象外です。導入するソフトの動作にどうしても特定の機器が必要で、今持っている端末では代わりにならない場合に限って認められ、その必要性を計画書で示すことになります。
ほかにも、Q&Aと特設サイトで対象外とされている経費がいくつかあります。
- キャッシュレス決済の決済手数料。売上に応じて後から発生する費用なので数えない
- 今使っているソフトの最新版への買い替えや、制度対応のための更新
- 宣伝用のホームページやSNSの作成。ECサイトや予約システムの導入に伴う改修なら対象になり得る
- セキュリティ対策ソフトや、DX全般を学ぶセミナー、コンサルティングの費用
導入したツールを社員が使いこなすための研修や、マニュアル作成の費用は対象になり得ます。
個人事業主も 出せる。 ただし決算を 1回終えている こと
対象は県内に本店や主な事業所がある中小企業と、県内に住民票上の住所か主な事務所がある個人事業主です。補助を使う事業そのものも、県内の事業所で行う必要があります。
見落としやすい条件は3つあります。
- 開業後、最初の決算を迎えていること。直近1年分の確定申告書を出すので、開業したばかりの人は対象外です
- 個人事業主と、同じ人が代表を務める法人は同じ事業者とみなされ、どちらか1つしか申請できません。屋号を複数持っていても1件です
- 病院や診療所、介護施設は対象外です。診療報酬や介護報酬が国の目的を決めたお金で、この補助金と経費が重なるため、とQ&Aは説明しています
補助を受けられるのは、第1期から追加募集までを通じて1事業者1件です。公募要領は、複数の期に同時に申請することも認めていません。第3期に出して結果を待っている人は、追加募集に出す前にコールセンターで扱いを確認してください。
国の デジタル化・AI導入補助金とは、 同じ 経費で 両方は 使えない
国のデジタル化・AI導入補助金も、6次締切が10月30日17時で、埼玉の追加募集と1時間違いです。同じ経費で国の補助金に申請していたり、交付決定を受けていたりすると、県の補助金は使えません。省力化投資補助金も同じ扱いだとQ&Aに書かれています。
比べると、国の通常枠は補助率1/2(条件を満たせば2/3)、上限450万円で、登録されたITツールを販売事業者と一緒に申請します。埼玉県の制度は補助率3/4、上限300万円で、ツールの縛りがありません。経費400万円までの導入なら、埼玉県内の事業者は県の制度から検討するのが素直だと私は考えています。ただし県の制度は予算の範囲内で審査して決めるので、条件を満たしても採択されるとは限りません。
審査の 中心は 「労働 生産性」の 計算
申請には県の様式の実施計画書(Excel)を出します。審査で見られるのは、今の業務のどこに課題があり、選んだツールでそれがどう解決し、労働生産性がどれだけ上がるかです。
労働生産性の計算式は様式で決まっています。営業利益、人件費、減価償却費を足して「付加価値額」を出し、それを働く人の数と1人あたりの年間労働時間の積で割ります。ざっくり言えば、1時間働いてどれだけの価値を生んでいるかです。申請直前の決算期と、ツールを入れた後に来る決算期を比べて、この数字を上げる計画を立てます。導入から次の決算まで6か月ない場合は、その次の決算期で比べます。
補助金を受け取った後も終わりではありません。導入後の決算が確定したら60日以内に、決算書と一緒に成果の報告を出します。入れたツールを使わずに放置して数字が上がっていない、といった場合は、補助金の返還を求められることがあります。
審査では加点もあります。パートナーシップ構築宣言、SECURITY ACTION(情報セキュリティ対策の自己宣言)、事業継続力強化計画の認定、埼玉県の経営革新計画の承認など9つです。加点されるのは追加募集の締切日、つまり10月30日までに認定や登録を受けている場合だけで、「見込み」では加点されません。
結果は 12月下旬。 支払いは 2月26日までに 終える
ここが一番の落とし穴だと私は見ています。追加募集の結果通知は12月下旬ごろの見込みです。契約や発注は交付決定の後でなければならず、支払いは2027年2月26日までに終える必要があります。年末年始をはさんで、使える期間は2か月ほどしかありません。
サブスクリプションの払い方にも注意が要ります。Q&Aによると、1年分を前払いすればその分が対象になりますが、月払いの場合は2月26日までに払い終えた分しか数えません。たとえば月額2万円のクラウドサービスを1月から月払いにすると、期限までに払うのは2回、4万円です。経費10万円に届かないので補助はゼロになります。年払いの24万円なら、18万円が補助されます。
支払いは原則として振込で、現金払いは認められません。クレジットカードで払う場合は申請者本人の名義で、期限内に引き落としまで終わっている必要があります。補助金は事業が終わって実績報告を出し、県の確認を受けた後の精算払いなので、それまでは全額を自分で立て替えます。実績報告の後には、ツールが実際に使われているかを確かめる現地確認もあります。
申請の 前に そろえる もの
申請は特設サイトからのオンラインだけで、郵送では出せません。申請フォームは保存できる時間が60分なので、書類を先に全部そろえてから入力を始めてください。
個人事業主の場合、出す書類は次のとおりです。
- 住民票の写し(申請日前3か月以内に発行され、マイナンバーなどが載っていないもの)と、直近1期分の所得税確定申告書の第一表
- 青色申告決算書。白色申告なら、月ごとの売上が分かる売上台帳など
- 導入するツールの見積書とカタログ、県の様式の実施計画書
- 県税の納税証明書か、県が納税状況を確認することへの同意書
e-Taxで申告している場合は受信通知も要ります。法人なら確定申告書の別表一、決算書、3か月以内の履歴事項全部証明書です。
どの ツールを 選ぶかは、 無料の 窓口に 先に 聞く
県の事務局とコールセンターは、どのツールがいいか、計画書に何を書けばいいかの助言はしないとQ&Aに明記しています。ツール選びは埼玉県産業振興公社の「DXコンシェルジュ」、計画書の書き方は「埼玉県よろず支援拠点」が無料で相談に乗ります。経費が対象になるかどうかや必要書類の質問は、補助金のコールセンター(050-1744-2272、平日9時から17時)です。
申請書類の作成を有料で引き受けるという営業には注意してください。行政書士でない人が報酬を得て書類を作ることは行政書士法に抵触するおそれがある、と県のQ&Aも書いています。
私の見立てでは、この追加募集が素直に効くのは、まだ紙やExcelで回している予約、売上、勤怠、会計のどれかをクラウドのツールに置き換えたい店や事務所です。年払いにできるサービスを選び、2月までに支払いを終える段取りまで見えているなら、10月30日に間に合わせる価値は十分あります。
詳しい条件は埼玉県のDX推進・事業者支援のページと補助金の特設サイトで確認できます。
自分の業種と地域で使える補助金をまとめて知りたい方は、デルカモで確認できます。
関連記事: 埼玉県の中東情勢補助金は11月6日締切。仕入れ値1.5倍が条件
本記事は2026年10月16日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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