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補助金ニュース / 若手・女性リーダー応援プログラム

若手・女性リーダー応援プログラム、第3回は10月30日17時締切

公開: 2026年10月11日

東京都中小企業振興公社の「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」と「商店街起業・承継支援事業」は、令和8年度第3回の申請受付を10月9日に始めました。締切は10月30日(金)17時必着です。都内の商店街で店を開く人に、店舗の工事費や設備費と、交付決定から3年分の家賃の一部を助成します。上限は若手・女性リーダー応援プログラムが最大844万円(助成率3/4以内)、商店街起業・承継支援事業が最大694万円(2/3以内)です。若手・女性のほうに申請できるのは、女性か39歳以下の男性で、創業予定の個人か個人事業主に限られます。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、jGrants(国の補助金電子申請システム)に載る約300件の補助金を毎日同期しています。この助成金は10月10日の同期で新しく入ってきました。45ページの募集要項を読むと、申請の時点で商店街の代表者の確認が要ること、賃貸借契約や工事契約をしてよい日が決まっていること、採択後5年間は店を閉められないことなど、開業の段取りそのものを左右する条件が並んでいました。これから店を持つ人と個人事業主の目線で整理します。

2つの助成金は同じ要項、同じ申請書で募集している

2つは別の助成金ですが、募集要項は1冊、申請書の様式も共通です。条件に合えば両方に併願でき、両方とも採択の基準に届いた場合は、条件のよい若手・女性リーダー応援プログラムのほうで採択されます。

違いは助成率と上限です。

  • 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、対象経費の3/4以内。事業所整備費(工事費、設備・備品、広告費)が400万円まで
  • 商店街起業・承継支援事業は、対象経費の2/3以内。事業所整備費が250万円まで
  • 店舗の家賃はどちらも交付決定日から3年間が対象で、助成額の上限は1年目が月15万円、2年目が月12万円、3年目が月10万円

家賃の上限を3年分足すと444万円です。これに事業所整備費の上限を足した額が、最大844万円、最大694万円という数字になります。満額になるのは、工事や設備に相応の費用をかけ、家賃も上限に届く物件を借りた場合です。

家賃の計算を1つ出しておきます。若手・女性のほうで、税抜の家賃が月16万円の店を借りたとします。3/4は12万円なので、1年目と2年目は月12万円、3年目は上限の月10万円になり、交付決定日から3年間ずっと家賃を払った場合で、およそ408万円が助成の目安です。交付決定のあとに借り始めれば、そのぶん対象の月数は減ります。管理費や共益費、家賃にかかる消費税は対象になりません。

申請できる人。法人の代表者は若手・女性に出せない

若手・女性リーダー応援プログラムに申請できるのは、女性か、令和9年3月31日の時点で39歳以下の男性です。そのうえで、創業予定の個人か個人事業主でなければなりません。法人と法人の代表者は対象外で、今回開く店とは別の事業の会社であっても、代表者になっている人は個人として申請できません。公社のQ&Aにも、女性であっても法人の代表者は申請できないと書かれています。

商店街起業・承継支援事業には、年齢や性別の条件がありません。創業予定の個人のほか、中小企業の会社と個人事業者が申請できます。法人の代表者や40歳以上の男性は、こちらに出すことになります。

どちらも「開業」で申請できるのは、申請の時点で実店舗を持っていない人です。都内に限らず、ほかの県に店がある人は当てはまりません。ネットショップだけで営業している人が初めて店を構える場合は「開業」に入ります。すでに店を持っている人には、同じ業種の店をもう1つ出す「2店舗目」と、商店街の外や都外にある店を都内の商店街へ移す「移転」の区分があります。商店街起業・承継支援事業には、別の業種の店を出す「多角化」と、店を引き継ぐ「事業承継」もあります。今の店と同じ場所でのリニューアルオープンは対象になりません。

申請者本人が、その店に専念することも条件です。募集要項は、営業日と営業時間に店へ常駐することと説明しています。会社が申請する場合は、代表者でなく正社員の事業担当者でもかまいません。住んでいる場所は問われず、都外に住んでいる人も申請できます。

業種にも線引きがあります。対象は公社が指定した業種だけで、募集要項の38ページから41ページにある業種確認表で青く塗られたものです。食堂やレストラン、専門料理店、そば・うどん店、喫茶店、酒場、持ち帰りや配達の飲食、衣料品や食料品の小売、理容、美容などが塗られています。バー・キャバレー・ナイトクラブ、コンビニエンスストア、ドラッグストア、卸売業は塗られていません。自分の業種が微妙なときは、表の小分類まで確認してください。

商店街の代表者の確認が、申請の時点で要る

この助成金でいちばん時間がかかるのは、商店街とのやりとりだと思います。

まず、出店したい場所が「商店街」に当たるかどうかを確かめます。ここでいう商店街は、区市町村が商店街と認めているものか、商店街振興組合のある区域です。にぎやかな通りに面していても、区市町村に登録された商店街の区域でなければ対象になりません。どの商店街に属するかは、出店予定地の区市町村に問い合わせます。問い合わせ先は特設サイトの関連リンク集にまとまっています。

次に、その商店街の会長や関係者から、出店することの確認をもらいます。申請書類のなかに「商店街出店に関する確認書」という様式があり、ここにサインをもらったものを申請時に出します。申請書には商店街が抱えている課題を聞き取って書く欄もあるので、公社は時間に余裕をもって依頼するよう案内しています。

採択されたあとは、開業する月までに商店街の組織に加入し、助成が終わったあとも加入を続けることが条件です。途中で脱退すると、交付決定の取消しと助成金の返還の対象になります。

審査でも商店街との関わりが見られます。審査の視点は、事業の実現可能性、資金計画の妥当性、商店街活性化への寄与、経営者の適格性の4つです。若手・女性リーダー応援プログラムには「創意工夫」と「商店街におけるリーダーシップ」の2つが加わります。店の計画がよくできているだけでは足りず、その商店街で何をするかまで書く助成金です。

契約してよい日が決まっている。賃貸借は9月1日以降

物件をいつ契約したかで、家賃が対象になるかどうかが変わります。ここは見落とすと取り返しがつきません。

経費は、交付決定日よりあとに契約したものが原則です。第3回の交付決定日は令和9年3月1日の予定です。ただし特例があり、賃貸借契約は交付決定日の6か月前より後、工事の契約は3か月前より後であれば対象になります。第3回に当てはめると、こうなります。

  • 賃貸借契約は、令和8年9月1日以降に結んだものが有効
  • 工事の契約は、令和8年12月1日以降に結んだものが有効
  • どちらの場合も、助成の対象になるのは交付決定日以降の支払い。工事は、交付決定日以降に支払う残額が税込の総額の30%以上あることと、申請書に書いた工事業者であることが条件

設備・備品と広告費にはこの特例がなく、交付決定日以降に契約したものだけが対象です。

裏を返すと、8月までに賃貸借契約を結んでいた物件は、事業承継の場合を除いて家賃が対象になりません。契約を結び直しても認められないと明記されています。逆に、申請の時点で契約を済ませている必要はなく、予定している物件の場所や家賃がわかる資料があれば申請できます。審査のあいだに物件がほかの人に決まってしまった場合は、同じ商店街のなかであれば、事前に公社へ申し出たうえで別の物件に変えられます。

店を開ける日にも条件があります。開業は交付決定日よりあとで、交付決定日から1年以内です。ここでいう開業日は、店舗で事業を始めた日のことで、税務署に開業届を出した日ではありません。開業届をすでに出している人も申請できますが、交付決定の前に店を開けてしまうと対象外になります。

経費の中身にも細かい決まりがあります。工事費か設備・備品のどちらかは必ず申請に入れる必要があり、広告費だけ、家賃だけの申請はできません。設備・備品は1点が税込10万円以上のものに限られ、中古品、車両、リース料、食器や文房具のような消耗品は対象外です。広告費は、対象になる経費の上限が若手・女性で150万円、商店街起業・承継で100万円、そのうちホームページの制作費は税抜50万円までです。家賃では、敷金、礼金、仲介手数料、保証金が対象外で、本人や三親等以内の親族が持っている物件の家賃も認められません。

採択倍率。令和7年度の若手・女性は3.5倍から11倍

公社は特設サイトに、令和7年度の申請者数と採択数を載せています。若手・女性リーダー応援プログラムはこうでした。

  • 第1回は申請22件に対して採択2件で、11倍
  • 第2回は申請25件に対して採択4件で、6.3倍
  • 第3回は申請35件に対して採択10件で、3.5倍

1年分を合わせると申請82件に対して採択16件で、通ったのはおよそ5人に1人です。回によって差が大きく、第1回は22件のうち2件しか通っていません。

商店街起業・承継支援事業は、第1回が申請51件に対して採択18件(2.8倍)、第2回が49件に対して22件(2.2倍)、第3回が65件に対して32件(2.0倍)でした。この採択数には、併願していて若手・女性のほうで採択された人が含まれています。その人たちを除いた実数は16件、18件、23件で、倍率は3.2倍、2.7倍、2.8倍になります。商店街起業・承継支援事業だけで見ても、通るのはおよそ3人に1人です。

令和8年度の第1回は、公社の採択者一覧を数えると、若手・女性が7件、商店街起業・承継が7件でした。申請者数はまだ載っていません。一覧には美容室、そばと和食の店、居酒屋、菓子店、器の店、ダンススタジオといった事業が並んでいて、店舗予定地と商店街の名前も一緒に公表されています。採択されると、申請者の名前(個人事業者は屋号も)、商店街名、店舗予定地、事業テーマが公開されることは、申請前に知っておいてください。

お金が入るのは開業のあと。5年間は店を閉められない

助成金は後払いです。公社の特設サイトも、開業前には入金されないとはっきり書いています。

第3回のスケジュールは、書類審査が10月中旬から12月中旬、結果の通知が12月下旬、面接が令和9年1月中旬から下旬、交付決定が3月1日の予定です。公社は審査に4か月ほどかかると案内しています。工事費や設備費の助成金は、店を開けたあとに実績報告を出し、公社が店舗で工事や設備を確認して金額が確定してから振り込まれます。家賃のほうは1年分を払い終えるごとに報告して受け取る形で、実績報告は合わせて最大4回です。

工事代金も最初の家賃も、いったん全額を自分で払うことになります。審査の視点に、資金調達計画や資金繰りに無理がないかが入っているのはそのためです。申請書類には3年分の月次資金繰り表が含まれています。

採択後の縛りも軽くありません。助成事業が終わった年度の翌年度から5年間は、原則としてその店を休んだり閉めたりできず、毎年、実施結果の報告書を出します。この期間に店を閉めたり移したりすると、やむを得ない場合を除いて、交付決定の取消しと返還の対象になります。3年間の家賃助成と引き換えに、その商店街で長く店を続ける約束をする助成金だと考えておくのがよさそうです。

もう1つ、東京都の創業助成事業との関係です。創業助成事業とこの2つの助成金は重ねて受け取れません。どれかを受給すると、ほかには申請できなくなります。創業助成事業の対象は家賃、広告費、器具備品、従業員の人件費などで上限400万円、店舗の工事費は対象経費に入っていません。商店街に店を構えて内装工事をする人には、こちらの2つのほうが合います。

10月30日に間に合わせる段取り

申請は jGrants からの電子申請が原則で、GビズIDプライムのアカウントが要ります。特設サイトは発行に2週間から3週間かかると書いていて、GビズIDの公式サイトによると、書類を郵送して申請する場合の審査期間は最大1か月です。まだ持っていない人は、マイナンバーカードを使ったオンライン申請ができるか、今日のうちに確認してください。取り方はgBizIDプライムの取得方法にまとめています。

GビズIDが間に合わない場合に備えて、郵送での申請も用意されています。特設サイトから郵送用の申請書類をダウンロードし、書留やレターパックのような記録の残る方法で送ります。こちらも10月30日17時必着で、消印ではありません。電子申請用の様式とは項目が違うので、郵送用を取り直してください。なお、電子申請はスマートフォンやタブレットからはできず、パソコンが必要です。

締切まで残り20日ほどでやることは、物件の目星をつける、区市町村に商店街を確認する、商店街の代表者に会って確認書にサインをもらう、工事の見積書と図面をそろえる、3年分の資金繰り表を作る、の5つです。住民票、納税証明書、直近2期分の確定申告書といった書類も要ります。経営の知識と、開く業種の実務の知識があることも求められますが、これは1年程度の経験を職務経歴書で示すか、資格で示すか、開業までに研修を受けることで満たせます。

私の見立てでは、今から始めて間に合うのは、出店する商店街と物件がほぼ決まっている人です。場所がまだ決まっていないなら、今回は見送って次に回すほうが現実的だと思います。特設サイトのお知らせをさかのぼると、令和5年度から令和8年度まで4年続けて年3回の募集があり、第1回は毎年4月に始まっています。令和9年度の日程はまだ発表されていません。

デルカモで広告テストをしたとき、問い合わせの約6割は「申請を代行してほしい」という相談でした。この助成金は、その発想だと通りにくいと思います。面接に出るのは申請者本人で、公社のQ&Aも申請書類は自分で作るよう求めています。jGrants の代理申請の機能は使えますが、内容の確認と提出は申請者自身が行う決まりです。商店街の課題を自分で聞き、自分の店がそこで何をするかを書く申請書は、ほかの人には書けません。

詳しい条件は都内商店街での開業助成金の特設サイトとjGrantsの公募ページで確認できます。募集要項と申請書類は特設サイトの「申請手続き」のページにあります。問い合わせ先は東京都中小企業振興公社 助成課 商店街事業担当(03-3251-7926、平日9時から12時、13時から17時)です。

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本記事は2026年10月11日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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