補助金ニュース / 東京都 デジタルツール 助成金
東京都の デジタルツール助成金は 1月29日まで。 個人事業主も 対象
公開: 2026年9月29日

東京都と東京都中小企業振興公社は2026年9月28日、「中小企業デジタル導入促進補助事業」の第2回募集を始めました。会計ソフトや予約・顧客管理のクラウドなど、新しく入れるデジタルツールの費用を1/2、小規模企業者なら2/3まで助成する制度です。上限は150万円、受付は2027年1月29日まで。ただし予算に達した時点で締め切られます。都内で開業届を出している個人事業主も対象です。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、jGrants(国の補助金電子申請システム)に載る約300件の補助金を毎日同期しています。この制度は9月28日にjGrantsへ新規掲載され、今朝のチェックで引っかかりました。33ページある募集要項を読むと、見落とすと申請が無駄になる条件がいくつかあったので、個人事業主と小さな会社の目線で整理します。
いくら出るか。 クラウドの 利用料が 2年分対象に なる
この制度の一番の特徴は、サブスクの利用料を2年分まとめて助成の対象にできることです。助成対象期間が2年あり、その期間に契約して使って支払った分がすべて経費になります。
たとえば従業員5人以下のサービス業の店が、月額1万円(税抜)のクラウドを新しく入れたとします。2年で24万円、小規模企業者の助成率2/3なら助成額は16万円です。小規模企業者に当たらない会社なら1/2で12万円。消費税は対象外なので、計算は必ず税抜で考えてください。
上限は全体で150万円ですが、中身で天井が分かれています。
- ソフトやクラウド本体は、個別の上限なし
- 初期設定・カスタマイズ・保守サポートは50万円まで
- スマートレジやセルフ注文用のタッチパネルなど、ソフトと連携する専用機器は75万円まで
下限もあります。助成額が5万円以上でないと申請できません。助成率1/2なら経費10万円以上、2/3なら7万5千円以上が目安です。月額数千円のツールを1つだけ入れる使い方だと、下限に届かないことがあります。
小規模企業者の線引きは、製造業などが常時使用する従業員20人以下、卸売・小売・サービス業が5人以下です。飲食店や美容室は5人以下かどうかで助成率が変わるので、先に数えておいてください。
対象に なる ツール、 ならない ツール
対象は「申請時点で一般に販売されているパッケージ製品のソフトウェアとクラウドサービス」です。製造元や販売代理店のホームページで価格と仕様が公開されていて、問い合わせなしで買えることが条件になっています。募集要項に例として出てくるのは、会計・給与計算・人事労務などの組み合わせ、RPA、グループウェア、マーケティングオートメーション、過去の問い合わせ記録を学習させた生成AIでの予約対応などです。
対象外のほうが引っかかりやすいので、こちらを先に見てください。
- パソコン、タブレット、スマホ、プリンタなどの汎用機器。OS、オフィスソフト、セキュリティソフトも対象外
- すでに使っているツールのアカウント追加。新規採用者のためにライセンスを1つ増やす、は通りません
- リースやレンタル、従量課金で申請時点に料金が決まらないもの
- ホームページ制作、ECモールの出店料、SNS運用など広告宣伝に近いもの
もう1つ、2〜3か月だけ試すトライアル導入は認められません。途中で解約すると事業の中止扱いになり、助成金が出ない場合があります。2年使い続ける前提のツールだけを申請してください。
交付決定の 前に 契約すると、 1円も 出ない
ここが一番の落とし穴です。この制度で経費になるのは、交付決定を受けたあとの助成対象期間の中で、契約から支払い、運用開始まで終えたものだけです。申請を出したから先に契約しておこう、は通りません。
スケジュールで考えると、流れはこうなります。交付決定は毎月末日付で、原則として申請書類が正式に受理された月の翌月です。そして助成対象期間は、交付決定日の翌月1日から始まります。9月中に受理されても、交付決定は10月31日、ツールを契約できるのは11月1日から。10月に受理なら11月30日の決定で、契約は12月から。急いで入れたいツールがある人ほど、この1〜2か月のずれを計算に入れてください。
中小企業庁のスマートレジ向け事前着手制度のように「先に買ってあとで申請」を認める特例は、この制度にはありません。
1月29日締切でも、 予算が 先に 尽きれば 終わる
受付は2027年1月29日までと長めです。ただ、募集要項にも東京都の発表にも「予算額に達し次第、受付を終了する場合がある」と書かれています。第1回は6月11日から7月3日までの約3週間でした。
加えて、審査の順番は「到着順」ではありません。書類に不備や不足がないと確認できたものから審査に回ります。書類がそろっていない申請は、早く出しても後回しになるということです。受付最終日の時点で不備が残っていれば受け付けられません。
申請はjGrantsと公社の専用フォームからの電子申請だけで、GビズIDプライムが必要です。取得には原則2週間ほどかかるので、まだ持っていない人はツール選びより先に申し込んでおくのが正解です。
個人事業主が用意する書類は、開業届の控え、直近1期分の確定申告書(第一表から第四表と、青色申告決算書か白色の収支内訳書)、個人事業税の納税証明書、住民税の納税証明書、ツールの見積書が基本です。事業税が非課税の人や2026年1月以降に開業した人は、個人事業税の代わりに所得税の納税証明書(その1)を出します。税抜100万円を超える経費は2社以上の見積書が要ります。
申請代行の 勧誘には 乗らない
公社の事業ページのいちばん上には、第三者による「なりすまし申請」が多発しているという注意書きがあります。この制度で申請できるのは、事業者自身か、法令上申請の代行が認められる一部の士業だけです。「申請を代行します」「キャッシュバックがあります」という営業には注意するよう、公社自身が呼びかけています。
「このツールは東京都の助成金対象です」と売り込む業者にも気をつけてください。公社は特定の製品やベンダーを認定していないと明記しています。対象になるかどうかは、申請されたツールごとに事務局が判断します。
国のデジタル化・AI導入補助金と両方使えるかも、よく聞かれそうな点です。同じ経費で国と東京都の両方から受け取ることはできません。別々のツールなら話は変わりますが、どちらに何を出すかは申請前に決めておく必要があります。
私の見立てでは、この制度が一番効くのは、従業員5人以下で月額課金のクラウドを複数組み合わせて入れたい店や事務所です。2/3の助成率で2年分の利用料が対象になり、下限の5万円にも届きやすい。逆に、パソコンを買い替えたい、今のソフトのアカウントを増やしたい、という用途には使えません。
詳しい条件は東京都中小企業振興公社の事業ページと第2回の募集要項(PDF)で確認できます。問い合わせ先は中小企業デジタル導入促進補助事業事務局(03-4446-9058、平日9時から16時30分)です。
自分の業種と地域で使える補助金をまとめて知りたい方は、デルカモで確認できます。
関連記事: IT導入補助金は2026年から名前が変わった。新制度の要点
本記事は2026年9月29日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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