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酒類業振興支援事業費補助金、 第6期は 10月28日正午締切
公開: 2026年8月20日 ・ 更新: 2026年10月9日

国税庁の酒類業振興支援事業費補助金は、第6期の受付が2026年10月8日に始まりました。締切は10月28日(水)の正午で、受付期間は3週間です。対象は酒類の製造免許か販売業免許を持つ事業者で、個人事業主も出せます。海外展開の取組なら上限1,000万円(複数の事業者で連携すれば最大1,500万円)、国内の新市場開拓なら上限500万円。補助率は2分の1で、小さな酒蔵や酒販店なら3分の2に上がる枠もあります。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、jGrantsに載る公募を毎日同期しています。第5期が10月7日の正午に締め切られ、翌8日に第6期がjGrantsに載りました。国税庁の公募要領も10月版に差し替わったので、第5期までの要領と突き合わせて読んでいます。要件と金額は変わっていません。変わったのは日程で、第6期はここがいちばんの注意点です。
第6期の 受付は 10月8日から 10月28日正午まで
公募要領に書かれた第6期の受付期間は、2026年10月8日(木)から10月28日(水)の12時までです。締切は正午なので、夜まで粘れると思っていると出せません。
第3期は8月17日、第4期は9月9日、第5期は10月7日にそれぞれ締め切られました。いま申請できるのは第6期だけです。第4期と第5期が同時に開いていた夏と違って、どの期に出すかを選ぶ余地はありません。
審査のあとの予定は国税庁の制度概要に載っています。採択者の決定が11月下旬、事業開始が12月上旬の見込みです。第5期に申請済みの人は、採択者の決定が11月中旬の予定なので、いまは結果を待つ段階です。
第7期があるかどうかは、国税庁のページにも要領にも書かれていません。次を待つ前提で見送るのは勧めにくい状況です。
事業期限は 2月28日のまま。 実施期間は 3か月を 切る
第6期でいちばん効いてくるのが、後ろの期限です。補助事業の期限はどの期も共通で2027年2月28日(日)。この日までに取組を終えるだけでなく、支払いまで完了している必要があります。事業開始が12月上旬だとすると、使える期間は3か月に届きません。しかも年末年始を挟みます。
補助対象になるのは、交付決定日以降に発注し、事業期間内に支払いを終えた経費だけです。採択の通知が来ても、交付決定の前に発注したものは対象になりません。採択から交付決定までの間には交付申請の手続きがあり、国税庁が開く採択者向け説明会もあります。要領には、この説明会に参加できないと交付決定ができない場合がある、と書かれています。
納期のかかる設備や、開催日が決まっている海外の展示会を計画に入れるなら、12月に発注して2月末までに納品と支払いが終わるかを、見積もりの段階で相手先に確かめておくほうが安全です。要領には、正当な理由で期間内に終えられない場合は予算の繰越手続きで延長できることがある、という注記もあります。ただ、認められた範囲に限る話なので、最初から当てにして計画を組むものではありません。
これから計画を書く人は、3か月弱で終わる大きさに取組を絞るのが現実的だと思います。
第3期は 応募26件の うち20件が 採択された
国税庁は9月24日に第3期の採択結果を公表しました。応募は26件、採択は20件です。内訳は海外展開支援枠が10件、新市場開拓支援枠が10件でした。
国税局別に見ると、名古屋が6件の応募で5件採択、関東信越が5件で4件、東京が5件で3件、大阪は3件すべてが採択されています。金沢、高松、熊本、沖縄は応募そのものがありませんでした。
数字だけ見るとおよそ4件に3件が通った計算ですが、そのまま第6期に当てはめるのは早いです。国税庁が公表している令和7年度の結果では、第1期が応募144件で採択68件、第2期が応募242件で採択97件でした。どちらも採択は4割台です。第3期は応募が26件と少なく、1件の当落で率が大きく動きます。予算がどれだけ残っているかも公表されていません。
言えるのは、第3期の受付も7月27日から8月17日までの3週間だった、という事実です。受付の短い回に応募が殺到した形跡は、少なくとも第3期にはありません。
採択された事業名を見ていくと、輸出向けの商品開発や海外展示会への出展と並んで、体験型の地酒専門店、試飲コーナーの開設、火入れ工程の標準化といった取組が入っています。派手な海外案件だけが通る制度ではなさそうです。
すでに今年度の公募で採択された人には注意点があります。公募要領には、同じ事業者が同一年度内にすでに採択されている場合は重複して採択しない、とあります。国税庁のQ&Aはもう一歩踏み込んでいて、代表申請者が令和8年度の公募ですでに採択されているなら、別の枠や別の事業であっても代表申請者として重ねて採択することはない、と書いています。第3期で採択された事業者が、第6期に別の事業を代表として出しても通らないということです。逆に、過去に不採択だった事業は、計画を見直したうえで申請できるとされています。
対象は 免許を 持つ酒類事業者。 個人事業主も 含む
補助対象者は、酒税法の規定により酒類の製造免許もしくは酒類の販売業免許を受けている者、と公募要領に書かれています。酒蔵、ワイナリーやブルワリー、酒類の卸売業者、小売の酒販店まで、免許があれば法人か個人かは問いません。酒類業組合などの組合や、酒類事業者を1者以上含むグループでの申請もできます。
グループ申請の場合は代表申請者を決めて、その名義で申請します。補助金を受け取るのは代表申請者で、補助対象になるのは代表申請者が支出する経費だけです。参画事業者への支出もそこに含まれます。
除外の条件もいくつかあります。国税を納付期限までに納めていない場合や、過去3年の間に酒税関係の法令に違反して罰金以上の刑を受けている場合は出せません。過去に国税庁の酒類事業者向け補助金を受けて、期限が来た事業化状況報告書を出していない場合も対象外です。心当たりのある人は先に片付けておく必要があります。
海外展開支援枠は 上限1,000万円、 連携すれば 最大1,500万円
枠は2つあります。まず海外展開支援枠。日本産酒類の海外販路の拡大や高付加価値化、酒蔵の観光化や酒蔵ツーリズム、酒米産地と連携した海外・インバウンド向けの取組が対象です。補助率は2分の1、補助金額は1件あたり上限1,000万円、下限50万円です。
この枠の特徴は、複数の酒類事業者が集まって申請すると上限が上がることです。酒類事業者3者を含むグループで1,200万円、4者で1,300万円、5者で1,400万円、6者以上で1,500万円。7者以上に増やしても1,500万円で頭打ちです。
取組例には、海外の有名レストランと組んだ情報発信や、地理的表示(GI、条件を満たす産地の酒だけがその産地名を表示できる制度)を海外向けブランド化に使う取組が並びます。酒販店向けの例もあって、地域の複数の酒販店が連携してインバウンド向けの「酒販店巡り」を造成する取組が挙げられています。製造者だけの制度ではありません。
新市場開拓支援枠は 上限500万円、 小規模なら 補助率3分の 2
もうひとつが新市場開拓支援枠です。商品の差別化、販売手法の多様化、ICT(情報通信技術)を使った製造・流通の効率化、酒米産地との連携が対象で、上限500万円、下限50万円。補助率は原則2分の1ですが、小規模事業者なら3分の2に上がります。
小規模事業者の線引きは、常勤従業員数が20人以下、卸売業と小売業では5人以下の法人または個人です。町の酒販店や小さな酒蔵はだいたいここに入ります。グループで申請する場合は、参加する酒類事業者の全員が小規模である必要があります。
ひとつ気を付けたいのは、採択のあとで従業員が増えて定義から外れると、補助率が2分の1に下がることです。確定検査では労働者名簿まで確認されます。3分の2を前提にした資金計画を組むなら、事業期間中の採用計画とセットで考えてください。
下限の50万円も地味に効きます。補助率2分の1なら経費ベースで100万円以上の取組でないと申請額が下限に届きません。数十万円の小さな取組のための制度ではない、ということです。
新市場開拓支援枠には 賃上げ計画の 要件が ある
海外展開支援枠には申請要件がありませんが、新市場開拓支援枠には条件が付きます。3〜5年の事業計画期間で、給与支給総額を年率平均1.5%以上増やし、かつ売上額または付加価値額を年率平均3%以上増やす計画を作ることです。
これは書くだけの努力目標ではありません。事業計画の終了時点で給与支給総額の増加目標が未達だと、導入した設備の簿価か時価の低いほうのうち、補助金額に対応する分の返還を求められます。
ただし救済もあります。売上が思うように伸びなかったのに給与だけ上げ続けるのは無理があるので、給与支給総額の伸び率が売上や付加価値の伸び率の半分を超えていれば返還は求められません。天災など事業者の責任ではない理由がある場合も同じです。攻めた売上計画を書くと給与の要求水準も連動して上がる構造なので、数字は背伸びせずに作るほうが安全です。
酒米の 高騰と 米国関税への 対応は 優先採択
いま酒類業界が直面している2つの問題に、審査上の優遇が設定されています。酒米の価格高騰等の影響への対応と、米国の関税措置の影響への対応です。この2つに関連する取組と認められれば、審査で加点されます。影響は「受ける見込み」でもよいとされています。
酒米側の優先採択には条件があって、申請者か参画事業者に酒類の製造免許を持つ者がいる場合に限られます。酒販店単独の申請では酒米の優先枠は使えません。一方、米国関税のほうにはその限定が書かれていないので、輸出に関わる卸や小売でも狙えます。
加点を受けるには確認書を出します。酒米のほうは、受払簿や総勘定元帳の該当部分の写しなど、影響が分かる書類を添えます。米国関税のほうは、輸出許可書のように米国へ輸出していることが分かる書類と、取引先からのメールや帳票など影響を示す書類が必要です。加点項目はこの2つを含めて4つあり、受けられるのは最大2項目までです。
予算は令和7年度補正で9.0億円、令和8年度予算で6.0億円です。
申請は jGrantsのみ。 GビズIDは 郵送だと 間に 合わない おそれ
申請は国の電子申請システムjGrants経由のみです。利用にはGビズIDプライム(法人・個人事業主向けの共通認証ID)が必要です。公募要領には、郵送申請だと発行に1〜2週間かかる、準備が間に合わなくても申請期限の猶予はない、と書かれています。
ここは要領の記載より厳しく見たほうがいいです。GビズIDの公式サイトは、書類申請の審査期間を従来の最大2週間から最大1か月に変更したと案内しています。締切まで3週間を切ったいま、書類を郵送するルートでは間に合わないおそれがあります。まだ持っていない人は、マイナンバーカードでのオンライン申請が使えるかを今日のうちに確かめてください。すでに持っている人も、GビズIDプライムには発行日から2年3か月の有効期限が設けられたので、切れていないかを見ておくと安心です。取り方はgBizIDプライムの取得方法にまとめています。
申請先は、主たる事業実施場所を所轄する国税局(沖縄県は沖縄国税事務所)です。jGrantsの国税庁のページには国税局ごとに申請ボタンが分かれていて、要領も押し間違えないよう念を押しています。書類に不備や不足があると不採択になる、とも明記されています。
補助金は後払いなので、いったん全額を自分で立て替える資金繰りが前提になります。実施期間が短い第6期は、支払いが12月から2月に集中する点も頭に入れておいてください。
審査で不利になる型も要領に書かれています。経費が全部設備投資で、設備を入れて終わりという事業は評価が劣後します。タンクや冷蔵設備を入れるなら、それを使った新商品開発やマーケティング調査まで計画に書き込むことです。事業期間中はテスト販売を除いて成果物の販売や営業行為ができない点、申請書類の作成を専門家に依頼した費用は補助対象外になる点も、あわせて覚えておいてください。
締切までに 確かめたい 3つの こと
酒類業振興支援事業費補助金は、経済産業省系の有名な補助金に比べて解説が少なく、業界の外ではほとんど知られていません。第3期の応募は全国で26件でした。
免許を持っている人が第6期を検討するなら、先に確かめたいことは3つあります。GビズIDプライムが手元にあって有効か。取組が12月上旬から2月28日までに支払いまで終わるか。新市場開拓支援枠で出すなら、賃上げ計画を背負えるか。この3つが通るなら、10月28日の正午に向けて計画書を書く価値はあると思います。
個人事業の酒販店で「そもそも自分は補助金の対象になるのか」から確かめたい人は、対象の見分け方をこの記事にまとめています。
関連記事: 個人事業主でも補助金は使える。対象になる制度の見分け方
酒類向け以外にも、いま募集中の補助金は全国に300件前後あります。デルカモでは、jGrantsに載っている公募を毎日同期して、業種とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。同じ経費に補助金を重ねて受けることはできませんが、別の取組に使える県や市の制度が見つかることはあります。あわせて覗いてみてください。
本記事は2026年10月9日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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