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補助金ニュース / 酒類業振興支援事業費補助金

酒類業振興支援事業費補助金、第5期の締切は10月7日正午

公開: 2026年8月20日

国税庁の酒類業振興支援事業費補助金、その第5期の受付が2026年8月18日に始まりました。締切は10月7日(水)の正午です。対象は酒類の製造免許か販売業免許を持つ事業者で、個人事業主も出せます。海外展開の取組なら上限1,000万円(複数の事業者で連携すれば最大1,500万円)、国内の新市場開拓なら上限500万円。補助率は2分の1で、小さな酒蔵や酒販店なら3分の2に上がる枠もあります。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、jGrantsに載る公募を毎日同期しています。この制度は期を分けて何度も募集がかかるので、いま何期が開いていてどれに出すべきかが分かりにくい。今朝、国税庁の公募要領を通して読んだので、締切と金額、そして見落としやすい条件を整理します。

いま受付中なのは第4期と第5期の2つ

この補助金は令和8年度、期を分けて公募が走っています。第3期は8月17日に締め切られました。いま開いているのは9月9日(水)正午締切の第4期と、10月7日(水)正午締切の第5期です。2つが同時に受付中という珍しい状態ですが、公募要領そのものが第3・4・5期で1冊にまとまっていて、要件も金額も同じです。

違うのは後ろのスケジュールです。採択者の決定は第4期が10月中旬、第5期が11月中旬。事業開始はそれぞれ10月下旬と11月下旬の見込みです。ここで効いてくるのが、事業の期限がどの期も共通で2027年2月28日だという点です。同じ日までに支払いまで終える必要があるので、第4期なら実施期間はおよそ4か月、第5期だと3か月ほどしかありません。

事業計画がすでに固まっている人は第4期に間に合わせる価値があります。これから計画を書く人は、無理に9月9日へ突っ込むより、第5期で3か月で完了できる規模に事業を設計するほうが現実的です。海外の展示会出展のように時期が動かせない取組は、開催日が2月28日までに収まるかを先に確かめてください。

締切時刻にも注意が要ります。どの期も締切は正午、12時ちょうどです。夜まで粘れると思っていると出せません。

対象は免許を持つ酒類事業者。個人事業主も含む

補助対象者は、酒税法の規定により酒類の製造免許もしくは酒類の販売業免許を受けている者、と公募要領に書かれています。酒蔵、ワイナリーやブルワリー、酒類の卸売業者、小売の酒販店まで、免許があれば法人か個人かは問いません。酒類業組合などの組合や、酒類事業者を1者以上含むグループでの申請もできます。

グループ申請の場合は代表申請者を決めて、その名義で申請します。補助金を受け取るのは代表申請者で、補助対象になるのは代表申請者が支出する経費だけです。参画事業者への支出もそこに含まれます。

除外の条件もいくつかあります。国税を納付期限までに納めていない場合や、過去3年の間に酒税関係の法令に違反して罰金以上の刑を受けている場合は出せません。過去に国税庁の酒類事業者向け補助金を受けて、期限が来た事業化状況報告書を出していない場合も対象外です。心当たりのある人は先に片付けておく必要があります。

海外展開支援枠は上限1,000万円、連携すれば最大1,500万円

枠は2つあります。まず海外展開支援枠。日本産酒類の海外販路の拡大や高付加価値化、酒蔵の観光化や酒蔵ツーリズム、酒米産地と連携した海外・インバウンド向けの取組が対象です。補助率は2分の1、補助金額は1件あたり上限1,000万円、下限50万円です。

この枠の特徴は、複数の酒類事業者が集まって申請すると上限が上がることです。酒類事業者3者を含むグループで1,200万円、4者で1,300万円、5者で1,400万円、6者以上で1,500万円。7者以上に増やしても1,500万円で頭打ちです。

取組例には、海外の有名レストランと組んだ情報発信や、地理的表示(GI、条件を満たす産地の酒だけがその産地名を表示できる制度)を海外向けブランド化に使う取組が並びます。酒販店向けの例もあって、地域の複数の酒販店が連携してインバウンド向けの「酒販店巡り」を造成する取組が挙げられています。製造者だけの制度ではありません。

新市場開拓支援枠は上限500万円、小規模なら補助率3分の2

もうひとつが新市場開拓支援枠です。商品の差別化、販売手法の多様化、ICT(情報通信技術)を使った製造・流通の効率化、酒米産地との連携が対象で、上限500万円、下限50万円。補助率は原則2分の1ですが、小規模事業者なら3分の2に上がります。

小規模事業者の線引きは、常勤従業員数が20人以下、卸売業と小売業では5人以下の法人または個人です。町の酒販店や小さな酒蔵はだいたいここに入ります。グループで申請する場合は、参加する酒類事業者の全員が小規模である必要があります。

ひとつ気を付けたいのは、採択のあとで従業員が増えて定義から外れると、補助率が2分の1に下がることです。確定検査では労働者名簿まで確認されます。3分の2を前提にした資金計画を組むなら、事業期間中の採用計画とセットで考えてください。

下限の50万円も地味に効きます。補助率2分の1なら経費ベースで100万円以上の取組でないと申請額が下限に届きません。数十万円の小さな取組のための制度ではない、ということです。

新市場開拓支援枠には賃上げ計画の要件がある

海外展開支援枠には申請要件がありませんが、新市場開拓支援枠には条件が付きます。3〜5年の事業計画期間で、給与支給総額を年率平均1.5%以上増やし、かつ売上額または付加価値額を年率平均3%以上増やす計画を作ることです。

これは書くだけの努力目標ではありません。事業計画の終了時点で給与支給総額の増加目標が未達だと、導入した設備の簿価か時価の低いほうのうち、補助金額に対応する分の返還を求められます。

ただし救済もあります。売上が思うように伸びなかったのに給与だけ上げ続けるのは無理があるので、給与支給総額の伸び率が売上や付加価値の伸び率の半分を超えていれば返還は求められません。天災など事業者の責任ではない理由がある場合も同じです。攻めた売上計画を書くと給与の要求水準も連動して上がる構造なので、数字は背伸びせずに作るほうが安全です。

酒米の高騰と米国関税への対応は優先採択

いま酒類業界が直面している2つの問題に、審査上の優遇が設定されています。酒米の価格高騰等の影響への対応と、米国の関税措置の影響への対応です。この2つに関連する取組と認められれば、審査で高く評価されます。

酒米側の優先採択には条件があって、申請者か参画事業者に酒類の製造免許を持つ者がいる場合に限られます。酒販店単独の申請では酒米の優先枠は使えません。一方、米国関税のほうにはその限定が書かれていないので、輸出に関わる卸や小売でも狙えます。影響は「受ける見込み」でもよいとされています。

予算は令和7年度補正で9.0億円、令和8年度予算で6.0億円。決して大きな財布ではないので、優先採択に乗れるかどうかは採否に響くはずです。

申請はjGrantsのみ。つまずきやすい点が4つ

申請は国の電子申請システムjGrants経由のみです。利用にはGビズIDプライム(法人・個人事業主向けの共通認証ID)が必要で、郵送申請だと発行に1〜2週間かかります。公募要領には、GビズIDの準備が間に合わないことによる期限の猶予はない、とはっきり書かれています。未取得なら今日申し込んでください。

申請先は、主たる事業実施場所を所轄する国税局(沖縄県は沖縄国税事務所)です。jGrants上で申請先を選ぶ際に間違えないよう、要領も念を押しています。

経費のルールも先に押さえておきたいところです。補助対象になるのは交付決定日以降に発注し、事業期間内に支払いを終えた経費だけです。採択の連絡が来ても、交付決定の前に発注したものは対象になりません。それと補助金は後払いなので、いったん全額を自分で立て替える資金繰りが前提になります。

審査で不利になる型も要領に明記されています。経費が全部設備投資で、設備を入れて終わりという事業は評価が劣後します。タンクや冷蔵設備を入れるなら、それを使った新商品開発やマーケティング調査まで計画に書き込むことです。事業期間中はテスト販売を除いて成果物の販売や営業行為ができない点、申請書類の作成を専門家に依頼した費用は補助対象外になる点も、あわせて覚えておいてください。

免許があるなら、まず自分が出せるかの確認から

酒類業振興支援事業費補助金は、経済産業省系の有名な補助金と違って解説記事が少なく、業界の外ではほとんど知られていません。その分、免許を持つ事業者にとっては競合がまだ見えやすい制度だと思います。第5期の締切は2026年10月7日の正午。GビズIDの取得から逆算すれば、9月中旬までに動き出すのが現実的な線です。

個人事業の酒販店で「そもそも自分は補助金の対象になるのか」から確かめたい人は、対象の見分け方をこの記事にまとめています。

関連記事: 個人事業主でも補助金は使える。対象になる制度の見分け方

酒類向け以外にも、いま募集中の補助金は全国に300件前後あります。デルカモでは、jGrantsに載っている公募を毎日同期して、業種とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。自分の商圏の県や市の制度と併用できないか、あわせて覗いてみてください。

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本記事は2026年8月20日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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