補助金ニュース / 省力化投資補助金 第8回
省力化投資補助金の 第8回は 10月16日締切。 受付は 9月18日に 開始
公開: 2026年8月19日 ・ 更新: 2026年9月23日

中小企業省力化投資補助金(一般型)の第8回は、2026年9月18日金曜の10時に申請受付が始まりました。締切は10月16日金曜の17時で、8月の時点では「10月中旬予定」だった日付が確定しています。採択発表は2027年2月上旬の予定。補助上限は従業員5人以下で750万円、大幅な賃上げに取り組む計画なら1,000万円。ただし要領には、応募時点で従業員が0名の事業者は補助対象外だと書かれています。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。8月18日に公開された第8回公募要領を頭から通して読み、9月18日の受付開始で確定した日程を事務局のページで確認したので、締切までの動き方と金額、そして「自分は出せるのか」を判断するための線引きを整理します。この記事は8月19日に公開したものを、9月23日に確定日程で書き直しています。
締切は 10月16日17時。 要領ではなく 事務局ページで 確定した
要領を開いても、締切の日付は載っていません。要領の「事業の流れ(概略)」には「申請受付開始以降のスケジュールにつきましては、追ってHPでお知らせいたします」とあるだけです。日付を持っているのは事務局のスケジュールページのほうで、9月23日時点の記載は次のとおりです。
- 公募開始は2026年8月18日火曜
- 申請受付の開始は2026年9月18日金曜。事務局トップには「10:00に開始しました」の告知が出ています
- 公募締切は2026年10月16日金曜の17時
- 採択発表は2027年2月上旬(予定)
8月18日の公表時点では受付開始が9月中旬、締切が10月中旬と幅を持たせた書き方で、中小企業庁の公表ページはいまもその表記のままです。確定した日付を見るなら事務局のスケジュールページが正です。
受付開始から締切まで4週間しかありません。電子申請の締切は17時ちょうどなので、最終日の夕方に入力を始める計画は最初から捨ててください。それと、採択発表が2027年2月上旬というのは、出してから結果を待つ期間がおよそ4か月あるということです。設備の導入時期を年度内で考えている人は、この待ち時間を先に見込んでおいてください。
従業員が 0名だと 申請できない
一般型は個人事業主も対象です。要領の補助対象者の欄には「個人事業主を含む」とはっきり書かれていますし、補助率3分の2が使える小規模企業者・小規模事業者の定義も「20人以下の会社及び個人事業主」「5人以下の会社及び個人事業主」という書き方になっています。
ところが補助対象外の欄には、こうあります。「応募時点において、従業員が0名の事業者または1人当たり給与支給総額の対象となる従業員が0名の事業者」。基本要件のひとつが1人当たり給与支給総額を伸ばすことなので、そもそも給与を払う相手がいない事業者は要件を満たしようがない、という理屈です。
しかも要領は、常勤従業員の数え方についても釘を刺しています。「代表取締役や専従者等の常勤従業員に当てはまらない者が含まれていることが判明した場合、採択取消等になることがあります」。つまり社長ひとりの会社や、家族の専従者しかいない個人事業は、書類上は個人事業主が対象だとしても、実際には出せません。
人手不足を機械で埋める制度なのに人を雇っていないと使えないのは、直感に反すると思います。ただ、この制度は省力化と賃上げをセットで求める設計なので、筋としては一貫しています。ここが自分の事業に当てはまる人は、金額表を眺める前に、先に手を引いたほうが時間を無駄にしません。
過去の 回で 結果 待ちの 人、 他の 補助金の 支払い 待ちの 人も 出せない
対象外の線引きは、ほかにもいくつかあります。読者が引っかかりやすいのは次の4つです。
- この事業に応募申請・交付申請中の事業者と、交付決定を受けて補助金の支払いが済んでいない事業者
- ものづくり補助金、事業再構築補助金、新事業進出補助金の交付決定を受けて、支払いがまだ済んでいない事業者
- 応募申請日から過去3年間に、その3つの補助金の交付決定を合計2回以上受けた事業者
- 観光庁の観光地・観光産業における人材不足対策事業(令和7年度)または同省力化投資補助事業(令和8年度)で設備投資の交付決定を受け、応募時点で10か月が経っていない事業者
過去に別の補助金を使ったことがある人ほど、ここは先に確認する価値があります。採択後に判明しても取り消されるだけなので、事業計画を書く前に潰しておく論点です。
補助上限は 従業員数で 決まる
一般型の補助上限は従業員数の区分で決まります。カッコ内は、大幅賃上げ特例を使ったときの引き上げ後の上限です。
- 5人以下は750万円(1,000万円)
- 6〜20人は1,500万円(2,000万円)
- 21〜50人は3,000万円(4,000万円)
- 51〜100人は5,000万円(6,500万円)
- 101人以上は8,000万円(1億円)
補助率は中小企業が2分の1、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は3分の2。中小企業でも最低賃金引き上げ特例に当てはまれば3分の2に上がります。
ただし特例は重ねられません。大幅賃上げ特例のほうは、最低賃金引き上げに係る事業者、補助金額が上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は引き上げ不可と要領に明記されています。上限額と補助率の両方を最大にする、という取り方はできない仕組みです。
補助事業の実施期間は交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)。対象経費は機械装置・システム構築費が必須で、そこに運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費が加わります。機械もシステムも入れない計画は、そもそも成立しません。
要件は 省力化ではなく賃上げの ほうが 重い
3年から5年の事業計画で、次の4つを全部満たす必要があります。
- 労働生産性の年平均成長率を4.0%以上伸ばす
- 1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増やす
- 事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の最低賃金より30円以上高い水準にする
- 従業員21名以上なら、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」で公表する
2つ目は達成できなかった場合に達成率に応じて補助金の返還を求められる、重い要件です。交付申請時に賃金引き上げ計画の表明書を提出し、従業員に目標値を表明したうえで、最終年度に達成する必要があります。省力化で浮いた人件費をそのまま利益にする計画では、この制度は通りません。
なお最低賃金引き上げ特例を使う事業者は、3つ目の要件が適用されず、基本要件は1つ目、2つ目、4つ目のみになります。
最低賃金そのものが今年は大きく動きます。9月3日に47都道府県すべての答申が出そろい、引き上げ幅は54円から65円、全国加重平均は1,121円から1,177円になりました。発効日は10月1日から順次で、県によって違います。3つ目の要件は事業計画期間中は毎年満たし続ける必要があるので、いまの額ではなく改定後の額を前提に賃金計画を組んでおかないと、途中で足元をすくわれます。
第8回は 「足下の 賃上げ」を 審査で 見る
要領の審査項目「計画面」には、こう書かれています。「補助事業完了後における基準年度から最終年度の賃上げ率に加えて、設備の導入といった補助事業の完了を待たずして実施する『足下の賃上げ』を評価します」。
続く一文が重い。「最低でも、応募申請時の直近決算期から基準年度までの『従業員の1人当たり給与支給総額』の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度の賃上げが達成されない計画の場合は審査上大幅に不利になります」。基準年度は、補助事業が完了した日を含む事業年度の決算期です。つまり、設備が入って効果が出てから上げる計画ではなく、申請した直近の決算期から設備完成までの間にも給与を上げる計画でないと、審査で大きく減点されます。
さらに、足下の賃上げは採択後、交付決定までの間に従業員へ表明することが必須で、補助事業期間中の賃上げ実績はモニタリングの対象になります。ミラサポplusに9月18日に載った中小企業庁担当者のインタビューも、完了後の賃上げに加えて足下の賃上げを評価する運用に変えたと説明しています。
省力化で浮いた人件費を原資に、設備が動き出してから賃上げする。この順番で組んだ計画は、第8回では通りにくくなっています。資金繰りの表に、交付決定前の人件費増をあらかじめ入れておいてください。
同じインタビューでは、審査は3か月程度で、書類審査に加えて必要に応じてオンラインの口頭審査を行うこと、口頭審査には社外のコンサルタントが同席できないことも説明されています。計画書を誰かに書いてもらった人ほど、自分の言葉で説明できる状態にしておく必要があります。
加点は 締切までの 4週間でも 積める
第8回の加点項目は10個あります。えるぼし認定、くるみん認定、健康経営優良法人2026のような認定系は、今から取りにいくには時間が足りません。一方で、締切まで4週間弱の今からでも間に合うものがあります。
中小機構の「省力化ナビ」を使って生産性向上の知見を確認しておくと加点されます。条件は、本事業の申請に使うGビズIDプライムと、省力化ナビで使うGビズIDプライムを一致させておくこと。ここを間違えると加点されないので、GビズIDを取ってから触ってください。
そのほか、成長加速マッチングサービスに会員登録して挑戦課題を登録しておく(応募締切日時点で判定)、事業継続力強化計画の認定を取る、よろず支援拠点内の生産性向上支援センターの支援を受けて生産性向上取組計画書を作る、あたりが今から動ける枠です。事業場内最低賃金の加点は、2026年6月と応募申請直近月を比べて全国目安の55円以上の賃上げをしたかで見られます。
計画書の中身で差がつくのは当然として、加点は事務手続きだけで取れる点数です。計画書を書く合間に潰しておくのが効率的だと思います。
熊本県内の 被災事業者は 審査で 配慮される
中小企業庁の公表文には、こう書かれています。「なお、令和8年熊本地震の被害を受けた熊本県内の事業者の皆様は、審査において配慮いたします」。
配慮の中身までは書かれていません。加点なのか、別の扱いなのかは公表文からは読み取れないので、該当しそうな人は事務局のコールセンターに直接確認したほうが確実です。
締切までに やる こと
まずGビズIDプライムアカウントの取得です。申請は電子申請のみで、取得には一定の期間がかかると要領も中小企業庁も念を押しています。締切まで4週間を切っているので、未取得なら今日これだけはやってください。IDが締切に間に合わなければ、計画書がどれだけ良くても出せません。
次に補助事業の実施場所を確定させることです。要領は、交付申請時点で建設中の場合や、土地だけ確保して建設予定という場合は対象外だとしています。交付申請時には不動産登記事項証明書や賃貸借契約書の提出も求められます。
そして発注を急がないことです。交付決定前に発生した経費は、いかなる理由であっても事前着手は認められないと明記されています。見積もりを取るところまでは進めても、契約と発注は交付決定を待つ必要があります。
この 秋は 設備投資の 公募が 2本並ぶ
今年ものづくり補助金が終了したあと、全国規模の設備投資系の公募は、この省力化投資補助金(一般型)と、後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金が柱になっています。
後者の第1回は、申請受付が9月30日に始まり、10月30日18時に締め切られます。省力化の第8回は10月16日17時締切なので、省力化のほうが2週間先に締まります。準備期間がまるごと重なるので、両方が候補に挙がっている人は、どちらに時間を使うかを今すぐ決めたほうがいいと思います。
現場の人手不足を設備で解消したいのか、新製品や新事業で成長を狙うのか。制度は目的で選ぶのが筋です。ものづくり補助金の終了と後継制度の中身は、この記事に書きました。
関連記事: ものづくり補助金は23次で終了。後継の受付は9月30日からに変更
省力化のような全国規模の公募のほかにも、県や市まで含めれば選択肢はもっとあります。デルカモでは、jGrantsに載っている募集中の公募を毎日同期して、業種とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。従業員がいなくて省力化補助金の対象外だった人ほど、他に使えるものがないか覗いてみてください。
本記事は2026年9月23日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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