補助金ニュース / 事業承継・M&A補助金 採択率
事業承継・M&A補助金の 採択率は 61%。 15次まで 5回の 結果を 並べた
公開: 2026年9月13日

事業承継・M&A補助金の15次公募の採択結果が、2026年9月11日に中小企業庁から発表されました。申請551件に対して採択338件、採択率は61.3%です。10月2日から受付が始まる16次に出すか迷っている人と、15次の結果を受け取ったばかりの人に向けて、数字の読み方と次の一手を整理します。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領や採択結果の公表資料を日常的に読んでいます。今回は15次だけでなく、11次から15次までの5回分の発表を中小企業庁と事務局の公表値で並べました。先に書いておくと、採択率は5回とも61%前後で、ほとんど動いていません。
15次は 申請551件、 採択338件
枠ごとに見ると、事業承継促進枠が申請190件・採択115件で60.5%、専門家活用枠が312件・194件で62.2%、PMI推進枠が47件・28件で59.6%でした。廃業・再チャレンジ枠の単独申請は2件で、採択は1件です。
申請の6割近くは専門家活用枠で、M&Aで事業を買う側や売る側が、仲介業者やファイナンシャルアドバイザー(FA)に払う費用に使う枠です。15次からは、従業員の少ない売り手向けの小規模売り手支援類型がこの枠に加わりました。ただ公表されているのは枠単位の件数だけで、類型ごとの採択数は出ていません。小規模売り手支援類型に絞った採択率は、公表値からは分かりません。
5回とも 60.7%から 61.3%の 間
過去の回を並べます。申請数と採択数は中小企業庁の発表値で、採択率はそこから私が計算したものです。
12次は申請742件・採択453件で61.1%。13次は481件・293件で60.9%、14次は512件・311件で60.7%、そして15次が61.3%です。11次は専門家活用枠だけの発表で、590件・359件の60.8%でした。5回を合計すると、申請2,876件に対して採択1,754件、通算の採択率は61.0%になります。
目を引くのは、申請件数が動いても採択率が動かないことです。12次の742件から13次の481件へ、申請は3割以上減りました。それでも採択率の差は0.2ポイント。11次から13次は令和6年度補正予算、14次からは令和7年度補正予算と財源の年度も変わっていますが、数字は同じところに収まっています。申請が少なそうな回を狙って出す、という作戦に意味はありません。出せる準備が整った回に出すのが正解です。
枠に よる 有利不利も 見えない
12次から15次までの4回を枠ごとに合計すると、事業承継促進枠は791件中481件で60.8%、専門家活用枠は1,314件中803件で61.1%、PMI推進枠は177件中108件で61.0%です。どの枠を選んでも、通る確率はほぼ同じと考えてよさそうです。
廃業・再チャレンジ枠の単独申請は、4回で申請4件、採択3件しかありません。数が少なすぎて、率を語れる段階にありません。
枠は「通りやすさ」で選ぶものではなく、自分がやろうとしていることで決まります。親族や従業員に継がせる予定なら事業承継促進枠、M&Aで売るか買うなら専門家活用枠、譲り受けた後の統合ならPMI推進枠です。
6割通るは、 4割落ちると いう こと
61%は補助金のなかでは通りやすい部類ですが、裏返せば5社に2社は落ちています。しかも公募要領には、事務局は採択されなかった理由の問い合わせに一切応じないと書かれています。落ちても、なぜ落ちたかは教えてもらえません。
審査は2段階です。最初に、補助対象者や補助対象事業の要件を満たしているかを見る資格審査があり、それを通った申請だけが書面審査に進みます。書面審査の着眼点は、取組の目的・必要性、実現可能性、収益性、継続性の4つ。公表されている申請件数には資格審査で落ちた分も含まれていて、どちらの段階で何件落ちたかは分かれていません。
個人的に、書類の出来より先に確認してほしいのが減点の規定です。公募申請の時点から過去18か月の間に、ものづくり補助金や持続化補助金など中小企業庁が所管する補助金で賃上げ加点を取り、その要件を達成できていない事業者は、正当な理由がない限り大幅に減点されます。61%という数字は、この減点を抱えていない申請も含めた平均です。心当たりがあるなら、平均の数字を自分に当てはめないほうがいいです。
採択されたら、 まず交付申請。 発注は まだ
15次で採択された人は、事務局が9月11日から交付申請の受付を始めています。ここで気をつけてほしいのは、採択は補助金の交付決定ではないという点です。
公募要領には、採択を受けた申請者は交付申請を行い、交付決定通知書を受け取ってから補助事業に着手するよう書かれています。補助対象になるのは、交付決定日以降に契約・発注した経費だけです。採択の知らせを見てすぐ設備を発注したり、仲介業者と契約したりすると、その費用は補助の対象から外れます。
交付申請の手引きでは、原則として2者以上から相見積もりを取り、最低価格を出した業者に発注するのが基本ルールになっています。業者が決まっている人も、見積もりの取り直しが要らないかを先に確認してください。採択後に辞退する場合は辞退届を出しますが、一度出すと取り消せません。
16次に 出すなら、 締切から 発表まで 6〜7週間を 見込む
締切から採択発表までの日数を数えると、11次が35日、12次が38日、13次が48日、14次が42日、15次が49日でした。13次以降はどの回も40日を超えていて、今は6〜7週間が目安です。
16次の受付は10月2日から11月6日17時まで。事務局の予定では採択は12月下旬以降、交付決定は2027年1月下旬以降です。つまり16次で申請した設備投資や専門家への依頼は、早くても1月下旬までは契約できません。M&Aの相手探しをすでに始めている人や、年内に設備を入れたい人は、このスケジュールで補助金を使うのが現実的かを先に見てください。
16次の枠ごとの補助額と要件は、公募要領が出た日に3冊を通して読んで整理しました。要件は15次から変わっていないので、15次で落ちた人もそのまま参考にできます。
関連記事: 事業承継・M&A補助金の16次公募、受付は10月2日から11月6日まで
国の事業承継・M&A補助金とは別に、都道府県や市区町村にも事業承継や第三者への引継ぎを支援する制度があります。デルカモでは、jGrantsに載っている募集中の公募を毎日同期して、業種とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。
本記事は2026年9月13日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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