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省エネ・非化石転換補助金、 3次公募は 9月28日必着。 空調も 対象
公開: 2026年8月26日

業務用エアコンや冷凍冷蔵設備の入れ替えに使える国の補助金、省エネ・非化石転換補助金(設備単位型)の3次公募が受付中です。期間は2026年8月20日から9月28日17時必着まで。法人だけでなく個人事業主も対象で、定番の従来枠は設備費の3分の1、30万円から1億円までが補助されます。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。この3次公募の公募要領は144ページありますが、頭から通して読みました。読み終えて最初に思ったのは、この補助金は中身より先に申請方法でつまずく人が出そうだ、ということです。空調の入れ替えを考えている人が今日から動けるように、要点を整理します。
なお、この制度には工場全体の改修を対象にした工場・事業場型という別の類型もあります。この記事では、設備1台の入れ替えから使える設備単位型に絞ります。
締切は 9月28日17時。 しかも 郵送の 必着
補助金の申請は、持続化補助金や省力化投資補助金のようにjGrants(国の電子申請システム)で完結するものが主流になりました。ところがこの補助金は違います。専用の補助事業ポータルに事業内容を入力したうえで、申請書類を印刷し、ファイリングして郵送します。公募要領には「補助事業ポータルでの必要事項の入力完了だけでは申請と認められない」とはっきり書かれています。
郵送は簡易書留のような配送状況が確認できる手段に限られ、事務局への直接の持ち込みはできません。締切は2026年9月28日月曜の17時必着で、消印有効ではありません。地方から出すなら、実質的な締切は数日手前だと考えておくべきです。
個人事業主は 青色申告者である ことが 条件
対象は国内で事業活動を営む法人と個人事業主です。ここまでは広い。ただし個人事業主には条件があって、青色申告者であることが求められます。申請時に確定申告書と所得税青色申告決算書の写し(e-Taxで申告した人は受信通知)を提出します。白色申告の人はこの時点で対象外です。
もうひとつ、導入する設備の所有者が直近の年度決算で債務超過だと対象になりません。大企業には省エネ法のクラス分け評価などの追加要件がありますが、中小企業にはありません。
対象は 「指定設備」への 更新。 エアコンから LEDまで 15種類
補助の対象になるのは、執行団体のSII(環境共創イニシアチブ)があらかじめ性能基準を定めて公表している「指定設備」への更新です。設備単位型の指定設備は15種類。読者に関係が深そうなものだと、業務用エアコン、業務用給湯器、高性能ボイラ、冷凍冷蔵設備、制御機能付きLED照明あたりです。工場を持っているなら、変圧器、産業用モータ、工作機械、プレス機械なども並びます。導入する機種は、SIIが公開している型番リストから選びます。
押さえておきたいのは、更新が条件だという点です。いま使っている設備を省エネ型に置き換えるのが基本形で、新設は原則対象外。例外はあって、特にエネルギー消費効率の高いトップ性能設備を入れる場合は、新設でも5分の1の補助率で対象になります。
事業に使っていない設備の更新や、住居部分への設置も対象外です。なお令和8年熊本地震のような天災で設備が使えなくなった場合は、事前にSIIと協議すれば更新が認められることがあると要領に書かれています。
補助されるのは 設備費だけ。 工事費は 出ない
従来枠の補助率は3分の1以内。1事業あたりの補助額は下限30万円、上限1億円です。下限が30万円ということは、ざっくり設備費90万円以上の入れ替えから使える計算になります。
ここで期待値を調整しておきたいのが、補助対象経費は設備費のみだという点です。設置に伴う配線や配管、据付や工事の費用、既存設備の撤去費、運搬費は全部対象外。空調の入れ替えは工事費がかなり重いので、見積書の総額に3分の1を掛けて考えると期待が外れます。補助されるのは機器本体の部分だけです。
価格は原則3者以上から見積を取り、その最低価格が補助対象の上限になります。相見積もりは必須の段取りです。
枠は従来枠のほかにもあります。GXに取り組むメーカーの設備へ更新するメーカー強化枠が3分の1で上限3億円、トップ性能設備への更新なら2分の1で同じく3億円。ボイラーを電気式に替えるような燃料転換は電化・脱炭素燃転型という区分で、補助率2分の1のうえ、こちらは工事費や付帯設備も対象に含まれます。同じ入れ替えでも、どの区分で出すかで手取りがかなり変わります。
ひとつ現実的な話をすると、3次公募の従来枠の予算は2026年度分で約30億円です。申請額の合計が予算を超えると総合評価の結果、不採択になることがあると要領に明記されているので、要件を満たせば必ずもらえる類の制度ではありません。審査で選ばれる補助金です。
省エネ10%の 計算は、 ポータルの 自動計算で 出せる
申請には省エネ効果の要件があります。原油換算で、省エネ率10%以上、省エネ量1kl以上、経費1千万円あたりの省エネ量1kl以上のどれかを満たすこと。数字だけ見ると身構えますが、補助事業ポータルに導入予定設備の稼働時間などを入力すると省エネ量が自動計算される「指定計算」という仕組みが用意されています。15年前の空調を最新機種に替えるような計画なら、ハードルは見た目ほど高くありません。
地味な追加書類がひとつあります。省エネ法の定期報告義務がない事業者、つまり中小企業のほぼ全部は、エネルギー合理化の中長期計画をSII指定のフォーマットで作って出す必要があります。設備の販売店任せにせず、この書類の存在だけは頭に入れておいてください。
交付決定は 11月下旬。 事業完了まで 2か 月しかない
3次公募の交付決定は2026年11月下旬の予定です。単年度事業の場合、設備の設置、検収、支払いまでを2027年1月31日までに終える必要があります。交付決定から事業完了まで、実質2か月しかありません。
しかも契約と発注は交付決定後でないと補助対象になりません。いま動けるのは見積の取得までです(3者見積の見積依頼は、1次公募要領の公開日である2026年3月25日以降のものなら交付決定前でも有効です)。つまり納期が読めない設備だと、単年度では間に合わない可能性があります。納期が長い場合は2027年度までまたげる複数年度事業の仕組みがあるので、申請前に販売店と納期を詰めて、どちらで出すか決めてください。
事業完了後は30日以内、遅くとも2027年2月5日までに実績報告を出し、確定検査を経て補助金が支払われます。支払い時期は2027年1月末から3月末。補助金は後払いなので、それまでの資金は自前で立て替えます。導入後も、最低1週間分の実測データで省エネ効果をSIIに報告する義務が続きます。
他の 補助金と 同じ 経費では 併用できない
同じ設備費を他の補助金と重複して受けることはできません。省力化投資補助金やIT導入補助金と迷っている設備があるなら、どちらで出すか先に決める必要があります。例外として、都道府県や市町村が独自財源で実施している補助金との併用は認められています。国と自治体の二段構えは組めるということです。中小企業経営強化税制との併用も可能だと明記されています。
判断に迷うケースは要領もSIIと自治体への問い合わせを勧めているので、当てにしている県の制度があるなら先に財源を確認しておくと安全です。
この 秋の 設備投資、 どの 制度で 出すか
9月から10月は設備投資系の公募が続きます。人手不足を機械で解消したいなら省力化投資補助金(一般型)の第8回、エネルギーコストを下げたいならこの省エネ・非化石転換補助金。同じ設備更新でも、目的で制度を選ぶのが筋です。省力化第8回の中身はこの記事に書きました。
関連記事: 省力化投資補助金の第8回公募要領が公開。締切は10月中旬予定
エアコンの入れ替えひとつ取っても、国の制度のほかに県や市の制度が並走していることがよくあります。デルカモでは、jGrantsに載っている募集中の公募を毎日同期して、業種とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。この秋の設備投資を考えている人は、申請先を決める前に一度覗いてみてください。
本記事は2026年8月26日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
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