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補助金ニュース / 補助金 申請代行 違法

補助金の申請代行は違法か。条文と公募要領で線引きを確認した

公開: 2026年8月8日

「補助金の申請代行、お任せください」という広告を見て、頼んでいいものか迷っている人向けの記事です。結論から書くと、報酬を受け取って申請書類を作成できるのは行政書士だけで、それ以外の業者がやると行政書士法違反にあたります。2026年1月1日にこの規定が改正され、「コンサル料」などの名目で報酬を受け取る抜け道が条文上はっきり塞がれました。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を日常的に読んでいます。以前、補助金サービスの広告を小さく出して問い合わせを分析したとき、体感で6割が「申請を代わりにやってほしい」でした。需要は間違いなくあります。だからこそ、その需要に応えている業者が適法なのかを、条文と公募要領で確認しました。

報酬を得て書類を作れるのは行政書士だけ

根拠は行政書士法第19条です。改正後の条文はこうなっています。

行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。(以下ただし書略)

第1条の3が定める業務が「官公署に提出する書類の作成」です。補助金の申請書類は、国や自治体、その事務局に提出するものなので、ここに含まれます。

省略したただし書は、他の法律に別段の定めがある場合と、総務省令で定める定型的な手続について総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合の例外です。補助金の事業計画書づくりが、この狭い例外に入る余地はありません。

ちなみに条文を引くときは番号に注意してください。改正で行政書士の使命に関する規定が新しく入った関係で、業務の規定は第1条の2から第1条の3に繰り下がりました。ネット上には旧番号のまま書かれた解説がかなり残っています。

2026年1月の改正で塞がれたのは「名目」の抜け道

改正前の第19条には「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言がありませんでした。ここが追加されたのが今回の改正です。

総務省が各府省に出した通知は、改正の意味をこう説明しています。「手数料」や「コンサルタント料」等どのような名目であっても、対価を受領して業として官公署に提出する書類等を作成することは違法である、という現行法の解釈を条文に明示したものだ、と。

ここを誤解している記事が多いので強調しておきます。2026年1月に新しく違法になったわけではありません。 もともと違法だったものを、条文の文面ではっきりさせただけです。「今までグレーだったが今年から黒になった」という説明を見かけたら、その記事は総務省の通知を読んでいません。

背景も公表されています。日本行政書士会連合会の会長談話によると、コロナ禍で行政書士でない者が給付金等の代理申請を行い、多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことが改正のきっかけです。給付金バブルの後始末というわけです。

あわせて両罰規定も改正され、違反した本人だけでなく、その人が所属する法人にも100万円以下の罰金が科されるようになりました。個人でやっている無資格コンサルだけでなく、会社ぐるみでやっている場合は会社も罰せられます。

依頼した側が罰せられるわけではない。ただし採択は消える

ここが一番知りたいところだと思います。第19条は「行政書士又は行政書士法人でない者」を規制する条文なので、依頼した事業者を罰する規定ではありません。

ただし、あなたが失うものはあります。実際の公募要領を見てください。2026年7月31日に公募が始まった大規模成長投資補助金の要領には、こう書いてあります。

行政書士(又は行政書士法人)でない者が、申請者に代わって有償で申請の作成を行うことは、行政書士法違反に該当する可能性があるほか、交付決定後に行政書士(又は行政書士法人)以外が申請の作成を行ったことが判明した場合、交付決定の取消となる可能性があります。

罰金は業者が払いますが、取り消されるのはあなたの採択です。設備を発注した後に交付決定が消えるところを想像してみてください。手数料を惜しんだかどうかの話ではなく、事業の資金計画が飛びます。

同じ要領には、悪質な業者への注意喚起も並んでいます。計画の実現可能性を踏まえずに補助金獲得だけを目的に申請支援を行う業者や、サービス内容とかい離した高額な成功報酬を請求する業者に注意するように、と。事務局側もこの問題を認識している状態です。

助言はよくて、代行がだめ

では外部の力を一切借りられないのかというと、そうではありません。線引きははっきりしています。

同じ公募要領は、外部支援事業者(コンサルティング会社等)の助言を受けることは差し支えない、と明記した上で、成長投資計画書は申請者自身で作成してくださいと続けています。つまり相談に乗ってもらうのは適法で、書類そのものを代わりに書いてもらうのが違法です。

境目が気になると思いますが、判断の物差しはシンプルで、成果物を誰の手が作ったかです。壁打ちして自分で書くならセーフ、白紙を渡して完成品が返ってくるならアウト。

なお行政書士に頼むのは当然ながら適法です。無資格の代行を避けるべきという話であって、専門家を使うなという話ではありません。

公募要領は「本人が書け」と前提している

法律の話を抜きにしても、代行に丸投げする戦略は審査で不利になります。

先ほどの要領には、プレゼンテーション審査の場で申請内容や計画に対する事業者本人の理解が著しく不足したまま申請が行われていると判断された場合、審査上大幅に不利になると書かれています。審査する側は、本人が書いていないことを見抜く前提で設計しているわけです。

これは大規模な補助金に限った話ではありません。計画書に書く内容は、自社の売上構成、設備を入れた後の生産量、誰が何時間その作業をしているか、といったものです。外部の人間が知りようがない情報ばかりで、結局あなたに聞くしかない。だったら最初から自分で書いた方が早い、という場面が実際多いです。

頼む前に、自分でどこまでやれるか見る

代行を探す前にやることがあります。

まず、自分が使える制度があるかを確認してください。制度が決まらないうちは、頼む相手を探しても意味がありません。デルカモでは、いくつかの質問に答えると使えそうな補助金が出てきます。無料で試せます。

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そのうえで、書類を自分で書けるかどうかを判断してください。工数の目安や、無料で相談できる公的な窓口については別の記事に書きました。

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本記事は2026年8月8日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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