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補助金ニュース / 埼玉県 中東情勢 補助金

埼玉県の中東情勢補助金は11月6日締切。仕入れ値1.5倍が条件

公開: 2026年10月3日

埼玉県は2026年9月25日、「中東情勢に伴う価格高騰・供給不足緊急支援事業(中小企業)補助金」の第1期募集を始めました。中東情勢で石油や天然ガス由来の原材料が値上がりし、価格に転嫁できずに利益率が下がった県内の中小企業と個人事業主に、仕入れ値の上昇分の1/2を最大100万円まで補助します。第1期の締切は11月6日(金)16時です。ただし対象になる仕入れには、2月より1.5倍以上に値上がりしていること、という厳しい線があります。例外は第1期ではメタノールだけです。

私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領を読むのが日課になっています。申請の手引きは10月2日版が出ています。手引き、交付要綱、交付要領、Q&Aを読み合わせると、「最大1,125万円」という金額から受ける印象よりずっと対象が狭い制度でした。申請の準備に時間を使う前に確かめてほしい点を、小さな会社と個人事業主の目線で整理します。

仕入れ値の上昇分を1/2、最大100万円

制度は2つに分かれています。多くの事業者に関係するのは「価格高騰・供給不足緊急支援補助金」のほうです。

補助の対象は、2026年3月以降に仕入れた石油等由来製品の「仕入額上昇分」です。計算はシンプルで、3月以降の仕入れ単価から2月の仕入れ単価を引き、3月以降に仕入れた数量を掛けます。品目が複数でも、何か月分あっても合算できます。その合計の1/2が補助額で、上限は100万円です。

下限もあります。補助額が15万円に届かないと申請できません。補助率が1/2なので、仕入額上昇分の合計で30万円以上が必要です。値上がりが数万円の規模なら、この制度は使えません。

もう1つ大事なのは、すでに仕入れて支払いまで終えた分だけが対象だという点です。これから仕入れる分は数えられません。消費税と振込手数料も対象外なので、計算は税抜で考えてください。

1.5倍に届かない仕入れは数えない。例外はメタノールだけ

ここが一番の関門です。県は「石油等由来製品カテゴリリスト」という品目リストを作っていて、リストに載った品目なら値上がり幅に関係なく、3月以降の仕入れがすべて対象になります。ところが第1期のリストに載っているのはメタノールだけです。

リストは日本銀行の企業物価指数で2月と7月を比べ、5割以上上がった品目から選んだと県のQ&Aにあります。同じQ&Aによると、4月から6月にかけてはナフサやエチレンも5割以上上がっていました。7月には上昇幅が縮んだので、リストに残ったのはメタノールだけ、という経緯です。

リストにない品目は、仕入れ1回ごとに2月の単価と比べ、1.5倍以上になった仕入れだけが対象です。手引きに載っているナフサの例が分かりやすいので、そのまま借ります。2月は1リットル65円。4月から6月は119円で仕入れたので、この3回は対象になり、補助対象額は合計34万200円、補助額は17万円です。一方、3月の66円と、7月と8月の96円の仕入れは1.5倍に届かないので数えません。値上がりしていても、1.5倍を少しでも下回った月は丸ごと外れます。

県がこの線を引いた理由もQ&Aに書いてあります。製造業の原価率は一般に70〜80%で、仕入れ値が1.5倍になると赤字になる例が出てくる、という考え方です。

石油由来の材料を別の素材に切り替えた場合の「代替品」枠もあります。プラスチック製の包材をバイオプラスチック製に、プラスチックの箸を木の箸に、といった切り替えで、代替品の仕入れ単価が切り替え前の製品の2月の単価より1.5倍以上高ければ、その差額が対象です。補助率と上限は同じで、石油等由来製品の分と合わせて100万円までです。

小売店が売る商品は対象外。ガソリンや灯油も対象外

店を営む人が一番勘違いしやすいのがここです。Q&Aには、完成品を仕入れて販売する場合は対象外だと明記されています。ペットボトルや包装材が石油等由来製品だからといって、小売店や卸売業者がペットボトル飲料や食品を仕入れて売る分は対象になりません。対象になるのは、飲料メーカーがペットボトルを仕入れる、食品メーカーが包装材を仕入れる、といった材料としての仕入れです。

ガソリン、軽油、灯油、重油も対象外です。燃料には国の支援制度があるため、とQ&Aは理由を書いています。農林水産業の事業者も対象外で、県の農林部が別の補助金を用意しています。

石油等由来製品の例としてQ&Aが挙げているのは、プラスチック製品、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維、合成ゴム、塗料、シンナー、接着剤、合成洗剤、潤滑油などです。石油由来の成分の含有量に要件はありません。

利益率が前年同月より5%以上下がっていること

仕入れの条件とは別に、会社や事業そのものの条件があります。2026年3月から申請月までのどこか1か月で、売上高総利益率(粗利率)か売上高営業利益率のどちらかが、前年の同じ月と比べて5%以上下がっていることです。その月と前年同月の月次試算表を出して示します。月次試算表を作っていない場合は、売上台帳や仕入台帳を添えて県の参考様式で月次の数字を示す方法がQ&Aで案内されています。

1つ注意があります。要綱も手引きも「5%以上減少」と書いているだけで、粗利率30%が25%になる「5ポイント減」を指すのか、30%が28.5%になる「5%減」を指すのかは定義されていません。自分の数字がその間にある人は、申請前にコールセンターで確認してください。

対象者の側にも、見落としやすい条件が3つあります。

  • 県内に登記上の本店がある中小企業。個人事業主は住民票上の住所が県内にあること
  • 開業後最初の決算日を迎えていること。直近1期分の確定申告書を出すので、開業したばかりの人は対象外です
  • 個人事業主と、同じ人が代表を務める法人は同じ事業者とみなされ、どちらか1つしか申請できません

個人事業主が出す書類は、住民票の写し(申請日前3か月以内に発行されたもの)、直近1期分の所得税確定申告書の第一表、青色申告決算書(白色申告なら月ごとの売上が分かる売上台帳など)、月次の試算表、仕入れた品目の納品書、支払いを証明するもの、県税の納税証明書などです。納品書は、2月時点に一番近いものと3月以降の申請する分の両方が要ります。2月の納品書が残っていないと単価の比較ができないので、最初に探してください。成分表示は、メタノールやシンナーのように明らかに石油由来と分かるものなら不要です。

設備の入れ替えは最大1,125万円。ただし想定は20件程度

もう1つの「代替品対応設備投資支援補助金」は、石油由来の材料を代替品に切り替えるための設備投資を3/4、上限1,125万円まで補助します。見出しになりやすいのはこちらの金額ですが、県のQ&Aによると交付件数の想定は第1期と第2期を合わせて20件程度です。仕入れ値の補助のほうは1,000件程度なので、桁が2つ違います。

申請には、県が派遣する中小企業診断士か、認定経営革新等支援機関(商工会議所や金融機関など、国が認定した支援機関)が作る「支援カルテ」が必要です。県の専門家派遣は無料で2回までですが、枠は20件で先着順、第1期の受付は10月23日までです。認定支援機関に頼む場合は有償になることもあります。

設備は交付決定を受けてから発注し、2027年2月28日までに納品と支払いを終える必要があります。交付決定の前に契約や発注をした分は対象外です。補助金は事業が終わってからの精算払いなので、それまでは自己資金で立て替えることになります。パソコンやタブレットなど汎用的な機器だけの購入も対象外です。

先着順ではない。結果は12月中旬

受付は特設サイトからのオンライン申請だけで、郵送では出せません。第1期は締切までに届いた申請をすべて審査します。先着順ではないので、慌てて不完全な書類を出す必要はありません。逆に、締切の時点で必須書類がそろっていない申請は受け付けられません。

審査で見られるのは、利益率がどれだけ下がったかと、品目の値上がり率です。予算の範囲内で決めるので、条件を満たしても満額出るとは限りません。第1期の結果は12月中旬ごろに通知されます。

第2期は12月21日から2027年2月5日までの予定です。第1期で100万円の上限に届かなかった事業者は第2期にも申請できます。ただし、第1期で要件に合わないとして不採択になった案件は第2期に出し直せません。第2期は要件やリストの品目が変わることがあると県は書いています。11月6日に間に合うなら、第1期で出すのが正解です。

使える会社と、使えない会社

私の見立てでは、この制度が素直に効くのは、メタノールや溶剤、樹脂などを材料として仕入れていて、春以降に単価が1.5倍を超えた月がある製造業や加工業です。逆に、包材やトレーの値上がりが1〜3割にとどまっている店や、完成品を仕入れて売っている小売店は、条件を読む限り対象になりません。

確かめる順番は、まず2月の納品書を探し、次に3月以降の単価が1.5倍を超えた仕入れがあるかを見て、その合計の半分が15万円を超えるかを計算することです。ここで届かなければ、利益率の資料を作る前に手を止めて構いません。

申請書類の作成を有料で引き受けるという営業にも注意してください。県のQ&Aは、行政書士でない人が報酬を得て申請書類を作ることは行政書士法違反になると明記しています。

詳しい条件は埼玉県の報道発表、補助金の特設サイト、補助事業の手引き(PDF・10月2日版)で確認できます。問い合わせ先は補助金のコールセンター(050-1752-8336、平日9時から17時)です。

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本記事は2026年10月3日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。

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