補助金ニュース / 大雨 被災 事業者 支援
富山・石川・福井の 大雨。 被災した 事業者が 使える 支援を 整理した
公開: 2026年8月31日

8月27日からの大雨で、災害救助法が富山県の4市、石川県の4市町、福井県の6市町に適用されました。国は28日に被災した中小企業・小規模事業者向けの支援措置を発表し、31日には対象地域に福井県の6市町を追加しています。この記事では、3県14市町の事業者がいま使える支援の中身を、官公庁の一次情報だけで整理します。
私は補助金検索サービス「デルカモ」を運営していて、公募要領や官公庁の発表を毎日読んでいます。7月末の熊本地震のときは、支援が立ち上がる順番を2本の記事で追いました。今回の北陸の大雨でも、同じ順番が始まっています。
まず、 自分の 市町が 対象か どうか
国の支援措置は「災害救助法が適用された市町村」を起点に動きます。内閣府の8月30日時点のまとめで、適用されているのは次の14市町です。
- 富山県(8月27日適用): 高岡市、氷見市、小矢部市、射水市
- 石川県(8月27日適用): 羽咋市、志賀町、宝達志水町、中能登町
- 福井県(8月29日適用): 福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、永平寺町
国土交通省のまとめによると、北陸では27日の明け方から朝にかけて線状降水帯が相次いで発生し、24時間雨量が観測史上1位を更新する300ミリ超の記録的な大雨になりました。石川県と富山県には27日、大雨特別警報が出ています。前線が停滞したまま29日夜からは福井県でも猛烈な雨が降り、こちらも24時間で300ミリを超え、30日未明に特別警報が出ました。石川県が管理する羽咋川水系では、堤防の決壊も確認されています。
適用市町村は今後も追加される可能性があります。自分の市町が入っていなくても、被害があるなら市役所・町役場と商工会議所・商工会に状況を伝えておいてください。適用の判断材料にもなります。
8月28日に 国が 出した 支援措置は 5つ
経済産業省が8月28日に発表した支援措置は5つです。発表時点の対象は富山県・石川県の8市町でしたが、8月31日の第2報で福井県の6市町が追加され、いまは14市町すべてが対象です。
- 特別相談窓口の設置(日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、よろず支援拠点など)
- 日本政策金融公庫と商工中金による災害復旧貸付
- セーフティネット保証4号の適用
- 既往債務の返済条件緩和などへの対応
- 小規模企業共済の災害時貸付
見てのとおり、復旧費をそのままくれる補助金はひとつも入っていません。借りる、保証してもらう、返済を待ってもらう。災害直後の国の支援は、まずこの形で来ます。熊本地震のときも、地震の翌日に出たのはまったく同じ5点セットでした。
各機関の電話番号は、経済産業省が特別相談窓口の一覧PDFにまとめています。どこも平日日中の受付なので、まずは電話で状況を話すところからです。
いちばん効くのは セーフティネット保証4号
5つの中で被災直後にいちばん効くのは、3つ目のセーフティネット保証4号だと私は思っています。
信用保証協会が融資額の100%を保証してくれる制度で、保証枠は通常の保証とは別枠です。別枠の上限は普通保証2億円と無担保保証8,000万円。銀行から見れば貸し倒れリスクがなくなるので、被災直後の混乱した状況でも融資が出やすくなります。第三者保証人も原則不要です。
対象になる条件はシンプルで、災害の影響で最近1か月の売上などが前年同月より20%以上減っていて、その後も含めた3か月間で20%以上減る見込みであること。売上減少については市役所・町役場の認定が必要です。店や設備が直接壊れていなくても、断水や道路の寸断で売上が落ちた場合も対象になり得ます。
8月31日の第2報の時点でも「近日中に官報で地域の指定を告示する予定」の段階ですが、信用保証協会での事前相談は始まっています。告示を待たずに相談だけ先に進められます。
借りる方は 災害復旧貸付と 共済の 災害時貸付
お金を借りる方の制度は2つあります。
日本政策金融公庫の災害復旧貸付は、個人事業主や小規模事業者向けの国民生活事業で3,000万円(通常の融資制度への上乗せ)、中小企業事業で1億5,000万円の別枠。期間は運転資金10年以内、設備資金20年以内で、どちらも据置期間を3年以内に設定できます。金利は8月3日時点・貸付期間5年の場合で年2.70%(国民生活事業)です。
もうひとつ、小規模企業共済に入っている人は災害時貸付が使えます。納付済み掛金の7〜9割か1,000万円の少ない方まで、年0.9%で借りられて、担保も保証人も不要。商工中金の本支店で手続きすれば原則その日のうちに借りられます(借入窓口を商工中金以外で登録している場合は変更手続きが要るため、即日にはなりません)。取扱いは災害発生の日から6か月以内。罹災証明書か、商工会・商工会議所の確認を受けた被災証明が要ります。共済に入っていたことを忘れている人が意外といるので、掛金を払った記憶がある人は確認してみてください。
福井の 6市町は 2日遅れで 対象に 入った
福井県の6市町は、災害救助法の適用が8月29日と富山・石川より2日あとでした。経済産業省の最初の発表にも入っておらず、8月31日の第2報で追加されています。ここまでに書いた5つの支援は、福井の6市町でも同じように使えます。福井県内の公庫・商工中金・信用保証協会・商工会議所などにも特別相談窓口が設置されました。
この時間差は見捨てられていたわけではなく、国の支援措置が災害救助法の適用を起点に動く仕組みだからです。過去の災害では、適用が広がるのに合わせて支援措置も第2報、第3報と追加発表されてきました。去年の8月の大雨でも第3報まで出ています。今後さらに適用市町村が増えた場合も、同じ流れで支援措置が追いかけてくるはずです。
補助金は あとから 来る。 いまやるのは 記録を 残すこと
復旧費を補助してくれる制度はないのか、という点について。熊本地震では、地震発生から約1か月後の8月27日に、施設・設備の復旧費を最大4分の3補助する制度を含む支援パッケージが決まりました。翌日に5点セット、約1か月後に補助金。この順番です。
今回の大雨で同じような復旧補助が出るかどうかは、被害の全容と国の判断次第なので、現時点では書けません。ただ、出たときに使えるかどうかは、いまの行動で決まります。片付けを始める前に被害の写真を撮る、罹災証明書を申請する、修理や買い替えの見積書・領収書を全部残す。あとから出てくる補助金は、対象経費の証拠がないと使えません。何が対象になるかは公募要領次第ですが、記録がなければ検討の土俵にも乗れません。
支援が立ち上がる順番の全体像は、熊本地震のときに書いたこちらの記事で詳しく整理しています。
関連記事: 被災した事業者が使える支援。補助金より先に来るのは融資と保証
デルカモでは、jGrantsに載っている募集中の公募を毎日同期して、地域とやりたいことから使える制度を上限額・補助率・締切つきで無料で表示しています。復旧系の制度が公募されればここで拾えるので、次の一手を考える段階になったら覗いてみてください。
本記事は2026年8月31日時点の官公庁の公表資料・公募要領・jGrants掲載情報に基づいています。締切・金額・要件は変更されることがあるため、申請時は必ず公式の最新情報をご確認ください。デルカモは申請書類の作成代行は行いません(行政書士法遵守)。
最近の記事
- スマートレジ補助金は9月29日締切。小規模事業者なら4/5補助2026年9月9日
- 最低賃金の発効日は県で違う。47都道府県の一覧と助成金の締切2026年9月8日
- 事業承継・M&A補助金の16次公募、受付は10月2日から11月6日まで2026年9月7日